著者
今村 知子 杉森 文夫
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.247-252, 1989-09-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
8

1.羽色などの外部形態に基づく繁殖期のカルガモの雌雄判別を試みるため,栃木県内で得られた80個体を材料に,雌雄による外部形態の違いを観察した。2.上尾筒,下尾羽及び腹に雌雄の差異が認められた。中央尾翼,翼鏡,三列風切及びみずかきの色にも変異が認められたが,雌雄の違いによるものであるとは判断できなかった。3.カルガモの雌雄判別を行う場合,上尾筒,下尾筒及び腹が有効な部位であるといえる。4.野外においてカルガモを観察する場合,至近距離であれば雌雄を判別することは可能であると思われる。
著者
今村 知子 川原田 史治 杉森 文夫
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-16, 2015-09-30 (Released:2017-09-30)
参考文献数
53

齢既知のハシボソミズナギドリPuffinus tenuirostris 14個体の下顎骨を用い,雛から成鳥まで,成長とともに変化する骨の組織形態を調べ,年齢との関係について考察を行った。「脱灰標本法」により組織標本を作製し,デラフィールドのヘマトキシリンで染色したのち,鏡検した。その結果,成長に伴う組織形態の形成過程が明らかになり,1ヶ月齢から6ヶ月齢までの雛と幼鳥の月齢の識別ならびに亜成鳥と成鳥の判別が可能であることが見出された。齢とともに発達する年輪的な層状構造は1歳以上の3個体すべてにおいて観察されたが,年齢とは一致しなかった。ハシボソミズナギドリの下顎骨における層状構造の形成は,初め外基礎層板において広い範囲に見られるが,年齢を経るとともに,形成と同時に骨内部からハバース系の発達による侵食を受け,実際の年齢よりも本数が少なくなると考えられた。
著者
今村 知子
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.63-69, 2014 (Released:2014-05-09)
参考文献数
41
被引用文献数
1