- 著者
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保坂 公大
大田尾 浩
吉田 傑
今村 純平
田中 順子
柴田 元
- 出版者
- 公益社団法人 佐賀県理学療法士会
- 雑誌
- 理学療法さが (ISSN:21889325)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.1, pp.41-46, 2023 (Released:2023-10-26)
- 参考文献数
- 14
[目的]慢性期の脳卒中者の短下肢装具(ankle foot orthosis:AFO)を変更することが歩行能力の向上に繋がるかを検証した。[対象]膝のロッキングを認める発症から2年9 ヶ月経過した脳卒中者1名を対象とした。[方法]基礎水準期にはUD フレックスAFO を,操作導入期には大河原式AFO を使用した。評価項目は10m 歩行速度,歩行率,6分間歩行距離(6 minute walking distance:6MWD),歩容,改訂長谷川式簡易知能評価スケール,brunnstrom recovery stage,足関節関節可動域,握力,膝伸展筋力,表在感覚,深部感覚,膝関節のNRS(numerical rating scale),FBS(functional balance scale),TUG-T(timed up and go test)とした。基礎水準期と操作導入期の回帰直線から,水準と勾配を回帰式の値で判定した。また二項検定により10m 歩行速度,歩行率,6分間歩行距離を比較した。[結果]基礎水準期と比較して操作導入期の10m 歩行速度,歩行率,6MWDに有意差が認められた。膝のロッキング等の歩容が改善した。[結語]慢性期の脳卒中者の能力に適したAFO への変更は即時的な歩行能力の改善に有効である可能性が示唆された。