著者
今泉 寿明
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
pp.29-48, 1995-06-10

シャーマニズム性を有する伝承的占い遊戯「こっくりさん」の知識、体験、解釈に関する初めての広域実態調査を1992年に実施した。静岡県、愛知県、徳島県、沖縄県に在住する一般成人2,000名に調査票を配付し、1,636名(20〜69歳)の解析用データを得た。知識獲得と遊戯体験は概ね学齢期(7〜18歳)に限定され、遊戯形態は学校ないし家庭・地域社会での集団型が大部分を占めていた。知識の性差はめだたないが、体験は女性の方にやや高率にみられた。年齢、性別を問わず心霊現象という解釈よりは科学的な解釈の方が優勢であった。 1930年代から現在までの「こっくりさん」流行史は社会変動と関連しており、安定伝承期(1930〜1945年、昭和初期〜敗戦)、低迷期(1946〜1973年:本土の戦後復興〜高度経済成長/沖縄の本土復帰前)、興隆期(1974〜1992年:本土の高度経済成長以降/沖縄の本土復帰後)に区分されることが示唆された。
著者
今泉寿明
雑誌
臨床精神医学
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1713-1720, 1992
被引用文献数
1
著者
今泉 寿明
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.29-48, 1995-06-10 (Released:2017-07-18)

シャーマニズム性を有する伝承的占い遊戯「こっくりさん」の知識、体験、解釈に関する初めての広域実態調査を1992年に実施した。静岡県、愛知県、徳島県、沖縄県に在住する一般成人2,000名に調査票を配付し、1,636名(20〜69歳)の解析用データを得た。知識獲得と遊戯体験は概ね学齢期(7〜18歳)に限定され、遊戯形態は学校ないし家庭・地域社会での集団型が大部分を占めていた。知識の性差はめだたないが、体験は女性の方にやや高率にみられた。年齢、性別を問わず心霊現象という解釈よりは科学的な解釈の方が優勢であった。 1930年代から現在までの「こっくりさん」流行史は社会変動と関連しており、安定伝承期(1930〜1945年、昭和初期〜敗戦)、低迷期(1946〜1973年:本土の戦後復興〜高度経済成長/沖縄の本土復帰前)、興隆期(1974〜1992年:本土の高度経済成長以降/沖縄の本土復帰後)に区分されることが示唆された。
著者
今泉 寿明
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-34, 1997-04-25 (Released:2017-08-09)
参考文献数
11

マスメディアや噂話によって世間一般に流通する通俗的な超常現象、すなわち超常現象フォークロアの知識量を正確に測定するために、記号選択式テスト40項目(20設問×2問題、得点レンジ0〜40)からなる超常現象知識尺度(PKS-40 ; 40-item Paranormal Folklore Knowledge Scale)を作成し、再試験信頼性、内的整合性による信頼性、内容妥当性を確認した。テスト項目は一般向けの超常現象事典、用語集から抽出した。PKS-40を大学、短大、専門学校の学生に実施し、1,230名(年齢18〜25歳、男性436名、女性794名)のデータを解析した。項目ごとの正答率は1.0〜98.0%であった。得点の分布は左右対称の単峰性であり、平均値は20.9(標準偏差6.3、最小値1、最大値38であった。得点は男性においてやや高く、また、学校、専攻課程により差を認めた。