著者
小林 信正
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1-2, pp.23-27, 2003-12-04 (Released:2017-08-09)

近年、デジタル・ビデオカメラの開発により撮影機器性能が著しく向上し、特に肉眼では見えない領域、即ち紫外線や赤外線領域まで簡便にビデオカメラで撮影することが可能になった。そこで紫外線カメラ、赤外線カメラやサーモグラフィー等の特殊カメラを用い超常現象が頻発する各所を撮影した結果、不可視の光体が浮遊、移動している状態を近赤外線ビデオカメラで捕捉することができた。この発光体はアメリカではオーブ(ORB=球体の意)と呼び、霊体の可能性が高いと話題になっている。各種の撮影実験では、光体は近赤外線領域(700nm〜800nm)で捉えられ、ノーマルカメラでも時々写ることがあり、発光状態によっては可視光(400nm700nm)の内680nm〜700nm付近でも撮影可能であり、超常現象との関連性が高いと思われる。この特質は、球状のガス体で室内外の空間を浮遊移動し、壁やガラス板までも貫通、磁場との共鳴性を持ち、ラップ現象の原因であると考えられる。今後の課題として、より精度の高い撮影機器や物理的測定機器を用い、かつ様々な条件下で観測実験を試み、その正体を究明して行きたい。諸兄のご意見、ご批判、ご指導を賜えれば幸いである。
著者
小久保 秀之 山本 幹男 河野 貴美子
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1-2, pp.21-28, 2006-12-09 (Released:2017-08-09)
参考文献数
9

手かざしや祈りになどの非接触ヒーリングの作用を、極微弱生物光で評価する方法を研究した。超高感度カメラにて植物切片(白いぼきゅうり)の試料対(実験試料と対照試料)を18時間測定し、実験試料から生じる生物光の発光強度を対照試料の発光強度と比較した。測定は、実験試料に全く処理を行わない無処理群、手かざし等を行うヒーリング群、40℃の熱源にさらす熱処理群について行った。結果、無処理群と熱処理群では実験試料と対照試料の発光強度に差は無く、ヒーリング群でのみ実験試料と対照試料の発光強度に有意差が見られた(p = 0.002, 両側, paired t-test)。また、実験試料と対照試料の発光強度の比の対数を指標とすることで、非接触ヒーリング作用の定量評価が可能となった。
著者
志賀 一雅
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1-2, pp.27-34, 2004-12-18 (Released:2017-08-09)
参考文献数
8

ヒーリングのメカニズムを探るため、ヒーラーとクライアントの脳波を同時に測定した。ヒーリングとして、手かざし、気功、ピアノヒーリング、シタールヒーリング、鍼灸を試みた。いずれの場合も、脳波の7〜6Hzにおいて強く共鳴したときに、クライアント側に何らかの変化が生じた。脳波の共鳴は、ヒーラーの動作や発する音、鍼とは関係なく生じる。五感を介在しない、何らかの情報が脳と脳との間に交換されているように思われる。
著者
小野寺 孝義
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.81-99, 1997-11-25 (Released:2017-08-09)
参考文献数
10

本研究では南インドにおいて超常現象とみなされてきた2つの現象、アガスティアの葉の予言とアムリタが出現するという奇跡のペンダンについて調査した結果を報告する。アガスティアの葉とは数千年前に書かれ、伝えられてきたとされる個人に関する予言の書のことである。指紋から該当するアガスティアの葉を探すと、そこにその個人の家族や両親の名前、過去及び未来が書き込まれているとされる。もう一つの奇跡のペンダントとはアムリタと呼ばれる液体が次々流れ出すとされ、物質化現象の一種とみなすことができるものである。まず、アガスティアの葉については現在の科学で説明がつかないような現象ではないことが判明した。それは超常現象というよりも人間心理の盲点を巧みについたトリックを用いた占いの一種と言えることがわかった。奇跡のペンダントについては、報告されていたアムリタの物質化自体が観察されなかったし、検証自体がペンダントの所持者に拒否された。
著者
井口 博貴
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1-2, pp.15-22, 2005-12-09 (Released:2017-08-09)
参考文献数
5

当研究はghost研究を行うための基礎知識として広く海外の研究活動に着目し、その中で比較的進んでいると言われている欧米の研究例を分析する。まずghostの定義に触れてから、これらの現象の分析を行う。この中で、ghostの特性を抑え、次にそれらの出現例を見てゆく。また近年、高度な機械技術にともなうghost出現の変容について分析する。さらにpoltergeist時に居合せる子供と同現象の関連性を考察する。また海外で行われた一般国民のghost意識を調査、あわせて専門家による多様な考察を調査する。最後にロンドンのゴーストツアー"Ghosts by Gaslight"に自ら参加し、上記の調査と合わせて総合考察を試みる。これによれば英国ではghostに親しみを持ち平和共存しうるという考えも見られた。しかしそのメカニズムは依然として不明確であり、更なる深い研究が必要であると考える。
著者
恩田 彰
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.16-19, 2021-06-25 (Released:2021-06-29)
著者
小久保 秀之 山本 幹男
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1-2, pp.28-35, 2008-12-07 (Released:2017-08-09)
参考文献数
13

キュウリ切片に手かざしなどの非接触ヒーリングを行うと、施術したキュウリ試料から生じるバイオフォトンの発光強度が増大する。この非接触ヒーリングの物理機序を調べるために、キュウリ試料に極微弱のミリ波を照射し、ヒーラー3名の非接触ヒーリングと比較した。また、バイオフォトンの測定には、I.I.カメラModel C2400-47、波長域280-650nmと、CCDカメラImagEM C9100-13、波長域400-1000nmを用いた。ヒーリング処理、ミリ波処理は、いずれも室温24℃で30分行い、処理後、18時間バイオフォトンを測定した。結果、ミリ波照射の影響は観察されなかった。また、赤〜近赤外線領域でキュウリ試料の発光を観察した場合は、試料の成長軸の向きによって発光強度の変化が異なることがわかった。さらに、赤〜近赤外発光強度は非常に大きいが、ヒーリング効果を検出するには実験手続きの変更が必要と考えられた。
著者
小久保 秀之
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1-2, pp.30-39, 2009-12-31 (Released:2017-08-09)
参考文献数
13

この論文は、テレパシー的通信のラジオ波理論、あるいは電磁波理論を、ある程度、よみがえらせる。膨大な数の実験試行とコントロール試行から成る実験は、独自の装置、「Patuleaの試作装置」を用いて行われた。実験は、ESPカードを使ったものと、自由応答材料を用いたものとある。実験の概要は、装置の概略図、3次元グラフ、3つの数表に示されている。実験結果は、波長46.20mに普遍的な「テレパシー波」があること、220倍の増幅が最適であることを示している。得点は非常に高く、統計的に有意である。この実験は物理学の分野に関係しているように見えるかもしれないが、筆者らは、物理還元主義を支持せず、どちらかといえば、心と脳(肉体)を単一の実体の異なる側面とみる二相一元論を支持する。
著者
平藤 雅之
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.3_2, 2012

量子論等物理学の発展に伴って実在論(オントロジー)は新しい知見が得られるたびに揺らいで来た。まず、相対性理論の登場によって空間と時間の関係が明らかとなり、空間だけでなく時間も座標軸として実在することとなった。我々の意識はこの瞬間だけが実在すると感じているが、実際には過去も未来も実在する訳である。時間の流れに関する実感(クオリア)や認識は意識が産み出す主観的なものであり、長寿や短命は時間軸における長さの長短でしかない。<br> さらに量子力学の登場によって空間と時間の実在性には大きな変更が加えられた。量子力学の基礎をなすシュレーディンガー方程式の正しさには疑う余地はないが、その式中にある波動関数Ψをどのように解釈すべきかの論争が長く続いた。大別すると、Ψの絶対値を確率と解釈する確率解釈(コペンハーゲン解釈)とΨの絶対値が示す密度で多数の世界が同時に存在するという多世界解釈である。いずれの解釈をしても関連する式はそのままであり、量子力学をツールとして使う技術者にとっては、直感的に理解しやすい方を選択すれば良いという程度のものである。しかし、実在論としては大きな違いがある。多世界解釈は「あまりに宇宙の無駄遣い」であり、「オッカムのかみそり」の経験則では妥当性が低く見える。我々の実感とかけ離れていることもあり、この解釈はあまり支持されなかった。一方、確率解釈では「この世界は確率的なもの」となり、量子力学は不完全な理論に見える(アインシュタインは「神はサイコロを振らない」と反対した)。<br> さて、現在は多世界解釈支持者が増えている。特に多世界解釈をべ一スにした映画やアニメが増えるに従って多世界解釈の方が実感に合う状況になりつつある。多世界解釈と時空の実在性を組み合わせると、過去・現在・未来は無限に多くの世界が実在するという宇宙観になる。無限に多くの世界といっても、その密度分布はシュレーディンガー方程式に支配されており、多数の粒子からなる我々の世界は現在、認識している世界がピークとなる密度分布である。全く違う世界の密度はほとんど0であり認識できない。<br> 超心理学的現象では、テレパシー、透視、PKの順で研究者に受容され、予知はできれば他の現象で説明したいと考えられてきた。予知では「親殺しパラドクス」が発生するためである。しかし、多世界解釈では親殺しパラドクスは発生しないため、タイムマシンを扱う映画やアニメでは多世界解釈的宇宙観をシナリオに採用するものが増えている。多世界解釈と予知は極めて相性が良く、逆に予知でテレパシー等を説明した方がシンプルとなる。<br>
著者
小久保 秀之 薄井 孝子 山本 幹男 世一 秀雄
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1-2, pp.18-27, 2008-12-07 (Released:2017-08-09)
参考文献数
17

特異能力者として知られる中国人被験者(女、40歳)が念力課題、および顔表情認知課題を試みているときの脳血流、皮膚電気活動などの生理変化を測定した。また、主要5因子性格検査など5種の質問紙調査と内田クレペリン検査を実施した。結果、顕著な異常現象は観測されなかったが、念力課題中に被験者の脳血流が大脳右半球で著しく増大し、さらにその領野が顔表情認知課題中の血流増大領野と共通することがわかった。性格検査の結果は、この被験者の性格がまったく普通であることを示した。
著者
今泉 寿明
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-34, 1997-04-25 (Released:2017-08-09)
参考文献数
11

マスメディアや噂話によって世間一般に流通する通俗的な超常現象、すなわち超常現象フォークロアの知識量を正確に測定するために、記号選択式テスト40項目(20設問×2問題、得点レンジ0〜40)からなる超常現象知識尺度(PKS-40 ; 40-item Paranormal Folklore Knowledge Scale)を作成し、再試験信頼性、内的整合性による信頼性、内容妥当性を確認した。テスト項目は一般向けの超常現象事典、用語集から抽出した。PKS-40を大学、短大、専門学校の学生に実施し、1,230名(年齢18〜25歳、男性436名、女性794名)のデータを解析した。項目ごとの正答率は1.0〜98.0%であった。得点の分布は左右対称の単峰性であり、平均値は20.9(標準偏差6.3、最小値1、最大値38であった。得点は男性においてやや高く、また、学校、専攻課程により差を認めた。