著者
谷 奈穂 伊勢 幸恵 佐々木 智穂 國本 千裕
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.120, pp.2131, 2022-03-31 (Released:2022-03-18)

COVID-19の感染拡大にともなう入構制限により,大学での学びはオンラインが中心となり,学生の学習状況は変化した。本稿では,オンライン学習環境における適切な学習支援を探る目的で,学生の学習実態・直面する困難・支援ニーズについて,千葉大学の学生を対象とした日記法とインタビューによる質的調査を実施した。調査結果は,(1)メディア授業の特性,(2)学習時のコミュニケーション,(3)学習環境および学習リソースの3観点で分析し,今後必要な学習支援について考察した。そのうえで,千葉大学における学習支援の検証を実施し,今後の展望について述べた。
著者
伊勢 幸恵
出版者
千葉大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

研究目的近年、電子情報資源の増加による学術情報の量的増大が著しく、大学生はその中から適切な情報を探索・選択・入手する能力の習得が求められている。現在、ほとんどの大学図書館では様々な形式と内容のガイダンスを通じて、学生に情報リテラシーを身につけてもらおうと努めている。一方で、その習得に有効なガイダンス手法について、学生の探索行動を実際に観察して評価した研究はほとんどない。本研究では、実習形式による2種類の内容のガイダンスを受けた学生の文献探索行動を観察することで、(1)情報リテラシーの習得に資するガイダンス内容を検討し、(2)その効果を測定する手法を開発する。研究方法千葉大学の学部学生1~4年生6名をA、Bの2群に分け、それぞれに動画によるガイダンスを受講させた。A群には国立大学図書館協会が作成した「高等教育のための情報リテラシー基準2015年版」で述べられている「1. 課題の認識」「2. 情報探索の計画」「3. 情報の入手」といった行動指標を意識して作成したガイダンスを受講させた。一方、B群には「3. 情報の入手」の行動指標のみを解説したガイダンスを受講させた。その後、両群に共通の文献探索課題を与え、その探索行動を観察した。行動観察においては、画面キャプチャーソフトを用いてOPACや各種データベースの画面遷移を記録し、一人称視点カメラを用いて学生が図書館内で資料を入手する過程を明らかにした。最後に課題認識に関する事後インタビューを行った。研究成果調査の結果、課題の認識を重視した内容で、かつ実習形式で行うガイダンスは、学生に文献の探索計画を立てさせ、探索後に入手した文献の比較および妥当性の慎重な検討を促すことが分かった。評価手法として、実際の行動観察と個人インタビューを組み合わせることにより、課題を認識した結果が探索行動にどのように反映されるのか、ひいてはガイダンスの効果を客観的に分析評価できることが分かった。
著者
林 和弘 餌取 直子 武内 八重子 中原 由美子 伊勢 幸恵 新岡 美咲 直江 千寿子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第11回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.155-158, 2014 (Released:2014-11-17)
参考文献数
7

学術電子ジャーナルの進展は、従来の出版者と図書館の関係にも大きな影響を与え始めており、図書館が機関リポジトリ構築を推進することによって、これまで情報の受け入れを主としていた図書館の関係者が積極的に情報発信に関わるようになった。「三大学連携機関リポジトリ研修」の成果として、お茶の水女子大学、千葉大学、横浜国立大学の三大学に加えて筑波大学の機関リポジトリから発信される学術情報を分析した結果、大学ごとの特徴が現れた。