著者
長岡 貞男 伊神 正貫 John P. WALSH 伊地知 寛博
出版者
科学技術政策研究所一橋大学イノベーション研究センタージョージア工科大学
巻号頁・発行日
2011-12 (Released:2012-03-14)

本調査資料では、日米の科学者に対する科学における知識生産プロセスについての大規模な質問票調査から得られた、日米の共通点や相違点について報告する。日本調査は、2009年末から2010年夏にかけて一橋大学イノベーション研究センターと科学技術政策研究所(NISTEP)が共同で実施した。米国調査は、2010年秋から2011年初頭にかけてジョージア工科大学が一橋大学イノベーション研究センターやNISTEPと連携して行った。この調査では2001~2006年の論文で、被引用数が上位1%(高被引用度論文)とそれ以外の論文(通常論文)を抽出し、その著者に対して論文を生み出した研究プロジェクトについて尋ねた。日本の科学者からは約2,100件(回答率27%)、米国の科学者からは約2,300件(回答率26%)の回答が得られた。
著者
伊地知 寛博
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.54-75, 2000 (Released:2022-07-27)

知識生産の主要なアクターである大学と知識を経済・社会的価値に変換する主要なアクターである企業との連携がますます求められている.しかし,産学間のインタラクションでは,必然的にその利害に相違があり,利益相反のマネジメントが重要となる.本稿では,利益相反のマネジメントが実際に重要であることを浮き彫りにし,主要諸国における利益相反のマネジメントに対する取り組みの制度・運用面での現状を示し,日本の現状と比較する.そして,利益相反のマネジメントは,とくに法人化された大学においてはコーポレート・ガバナンスの課題の一つであり,その質的な向上を図るためには,先進的な経験に倣ってベンチマーキングの概念を援用することが有益であろうということを示唆する.