著者
阪 彩香 伊神 正貫 富澤 宏之 福澤 尚美(追加資料作成)
出版者
科学技術・学術政策研究所
巻号頁・発行日
2015-04 (Released:2015-04-09)

最新データに基づき2013年までのWoS-KAKEN論文の状況を分析した資料を追加しました(2017年4月11日)。本調査研究では、論文データベース(Web of Science、自然科学系)と我が国の代表的な競争的資金の1つである科学研究費助成事業の成果データベース(KAKEN)を論文単位で連結させ、日本の論文産出構造の分析を行った。その結果、科学研究費補助金の関わる論文数やTop10%補正論文数は近年上昇傾向にあることが分かった。また、科学研究費補助金は、2006-2008年における日本の論文数の47%、Top10%補正論文数の62%に関与しており、日本の論文産出において量的にも質的にも関与していることが明らかとなった。また、日本の論文産出構造において、①科学研究費補助金以外の研究費による論文産出が著しく低下していること、②科学研究費補助金による研究成果が世界における日本全体の存在感を維持させるほどの伸びを生み出していないことが問題点として浮かび上がってきた。This Research Material reports the result of the analysis of the structure of Japan’s scientific publication production using linkage data of bibliographic database (Web of Science) and database of Grants-in-Aid for Scientific Research (KAKEN), which is one of the representative competitive funds in Japan. Using those linkage data, it was found that the number of scientific papers and of top 10% highly cited papers that are related to the Grants-in-Aid for Scientific Research (KAKENHI) has been increased in the past decade; and outputs of KAKENHI were related to 47% of scientific papers and 62% of top 10% highly cited papers in 2006-2008. These results suggest that KAKENHI plays a large role in the knowledge creation of Japan in not only quantitative aspects but also qualitative aspects. Moreover, following two issues in the structure of Japan’s scientific publication production were revealed. 1) The number of scientific paper that is not related to KAKENHI has been decreased dramatically. 2) Outputs of KAKEN have not shown enough increase for keeping Japan’s presence in the world.
著者
長岡 貞男 伊神 正貫 John P. WALSH 伊地知 寛博
出版者
科学技術政策研究所一橋大学イノベーション研究センタージョージア工科大学
巻号頁・発行日
2011-12 (Released:2012-03-14)

本調査資料では、日米の科学者に対する科学における知識生産プロセスについての大規模な質問票調査から得られた、日米の共通点や相違点について報告する。日本調査は、2009年末から2010年夏にかけて一橋大学イノベーション研究センターと科学技術政策研究所(NISTEP)が共同で実施した。米国調査は、2010年秋から2011年初頭にかけてジョージア工科大学が一橋大学イノベーション研究センターやNISTEPと連携して行った。この調査では2001~2006年の論文で、被引用数が上位1%(高被引用度論文)とそれ以外の論文(通常論文)を抽出し、その著者に対して論文を生み出した研究プロジェクトについて尋ねた。日本の科学者からは約2,100件(回答率27%)、米国の科学者からは約2,300件(回答率26%)の回答が得られた。