- 著者
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伊師 華江
- 出版者
- 日本知能情報ファジィ学会
- 雑誌
- 知能と情報 (ISSN:13477986)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.2, pp.211-217, 2011-04-15 (Released:2011-07-08)
- 参考文献数
- 24
- 被引用文献数
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本研究は,表情顔の魅力評価に関わる心理印象要因を明らかにすることを目的として,特定の感情を表出しないニュートラル形態(真顔),幸福の感情を表出するポジティブ形態(幸福表情顔),悲しみの感情を表出するネガティブ形態(悲しみ表情顔)の3種類の表出形態の顔画像を呈示刺激とする評定実験を行った.評定実験1では魅力度評定が行われ,真顔に比べて幸福表情顔の魅力度は高く,逆に悲しみ表情顔の魅力度は低いことが示された.評定実験2では魅力度評定とセマンティック・ディファレンシャル法による印象評定が行われ,表出形態ごとに魅力と印象の関係が分析された.その結果,真顔と悲しみ表情顔の魅力評価には顔の知的美感の印象が重要な要因であるのに対して,幸福表情顔の魅力評価には知的美感印象に加えて柔和印象も重要な要因であることが示された.このことから,表情間で魅力評価に関わる心理印象要因が異なる可能性が示された.幸福表情顔とは異なり,悲しみ表情顔の魅力評価には真顔と共通する心理的な基準が使われていると考えられる.