著者
友永 雅己 森阪 匡通 伊村 知子 中原 史生 林 美里 田中 正之 足立 幾磨
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-05-31

チンパンジーなどの大型類人猿とハンドウイルカなどの鯨類を主たる対象として、われわれ人間の知性の進化を、特に系統発生的制約と環境適応という観点から比較認知科学の手法を駆使して検討を行ってきた。研究は、物理的世界および社会的世界の知覚・認識・理解に関して様々な観点から多様な種を対象に実施された。その結果、基礎的視知覚、空間認識における身体的制約、イルカ類における道具使用的行動、概念的メタファーの理解、他個体認識、聴覚コミュニケーションの種特異性と一般性、オランウータンやイルカにおける向社会行動の発現過程、チンパンジー、オランウータン、イロワケイルカにおける母子間関係の発達的変化を明らかにした。