著者
伊藤 徹男
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.600-609, 2011
被引用文献数
1

商用英語データベースでは,US,EP,PCT以外のアジアや新興国など非英語圏の特許情報の収録が悪い。加えて,特許明細書を原語から英語に翻訳する際に,多様な表記の揺れ,誤訳,スペルミスがキーワードだけでなく,出願人名などの書誌事項にも及ぶ。そこで,本稿では,非英語圏の特許情報を扱うには,英語データベースだけでなく,各国特許庁の原語データベースも調査対象とする必要性について述べた。そして,原語データベースを検索・出力する際には「Google翻訳」など無料翻訳ツールを利用することにより,比較的容易に特許情報を収集し,読み進めることができることを紹介するとともに,これら翻訳ツールを利用する際の留意点についても触れた。
著者
徳野 肇 田端 泰広 西 誠治 丹羽 麻里子 福士 洋光 渋谷 亮介 伊藤 徹男
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.119-123, 2019 (Released:2019-06-14)

中国の特許制度の特徴の一つに、特許と実用新案の同日出願(9条1項)がある。この制度の活用により、権利化が早い実用新案と審査に時間を要する特許とを同時に出願することで、出願の初期から権利の活用を有効に図ることができることが利点とされている。本報告では、上述の制度の利用状況を複数のデータベースを用いて詳細に調査するとともに、その利点とされる内容が機能しているのかを訴訟との関係等で検討し、今後の活用や対策のための情報として提供する。
著者
沖 祥嘉 伊藤 徹男
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第7回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.83-87, 2010 (Released:2010-11-01)
参考文献数
1

中国、台湾、韓国特許の審査経過情報が各特許庁データベースにより提供されているが、自社特許の出願管理用として、また、他社特許のウォッチング用としてどのように活用できるか、そこに収録されている内容(項目)について調査、検討した。その結果、各特許庁審査経過情報について、どのような内容が検索でき、表示、印刷、ダウンロードが可能か、また、ウォッチングなどに活用するにはどうすればよいかを明らかにした。これら審査経過情報から得られる失効特許を解析することにより、各社の出願戦略も垣間見ることができることについても考察した。
著者
伊藤 徹男
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.103-106, 2019 (Released:2019-06-14)

商用データベースへのアジアや新興国の特許情報収録が不充分な中でWIPOのPATENTSCOPEやASEAN PATENTSCOPEには、各国特許庁が有する特許情報が収録され、利用できるようになった。これまで、商用データベースにおいては収録国も限定的で、また収録言語も主に英語情報であった。PATENTSCOPEには、中国や韓国など東アジアやASEANその他新興国の特許情報が原語ではあるが収録されるに至った。その内容の詳細は、別途「アジア・新興国特許調査における無料データベースの実力検証」という形で報告予定であるが、本発表ではこれら原語データベースを検索するに当たり必要となる「原語」をどのように抽出するかを紹介する。商用英語データベースにおいては、中国特許情報なども書誌・要約だけなく、請求の範囲や全文まで機械翻訳ないしは人間翻訳による英語情報が収録されるようになったが、英語情報には誤字・脱字だけでなく誤訳も存在し、調査担当者も英語情報を補完する目的で各国特許庁データベースにアクセスして原語検索や査読をするようになりつつある。もちろん、若干の検索漏れなどが許される出願前調査や先行技術情報の把握などでは、日本語や英語で検索できる(サーチャーにはフレンドリーな)システムを使うことで充分な場合もあるが、当該国で事業展開を図る場合の権利侵害調査や無効化資料調査においては、網羅的な調査が求められるので、機械翻訳などによる日本語や英語での調査では充分とは言えない場合もある。現状では、多くの調査担当者(サーチャー)は英語以外の各国原語の読み書きができないと思われるので、そのような各国原語を理解できない状況の中で、どのように原語を抽出し、検索式を立てればよいかの指針となれば幸いである。