著者
村上 仁士 島田 富美男 伊藤 禎彦 山本 尚明 石塚 淳一
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.39-52, 1996-04-30
被引用文献数
2

The data on the 1605 Keicho Tsunami, 1707 Hoei Tsunami and 1854 Ansei Nankai Tsunami on Shikoku island were extracted from the newly discovered historical documents on these tsunamis. The inundation heights of these tsunamis measured in many villages were reexamined and reestimated by field investigation. Accurate data which were useful for checking the validity of the numerical simulation on the historical tsunamis were offered. As the result, the inundation heights of these tsunamis were greater in comparison with the 1946 tsunami heights at almost all of the surveyed points. This fact should be reconsidered in the future planning of the tsunami prevention.
著者
伊藤 禎彦
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.187-196, 2016 (Released:2016-11-10)
参考文献数
55
被引用文献数
1 4

下水処理水の間接・直接飲用再利用に関する世界的動向をふまえた上で, 化学物質と微生物によるリスクの取り扱い方法を論じた。はじめにリスクの定義を記した上で, 飲用水摂取にともなう健康リスク定量上の特徴を要約した。有害化学物質の水道水質基準設定方法と, 今日的な予防原則の手順を示した後, 飲用再利用システムにおける適用例を示した。まず, 下水に含まれる化学物質から, 対象とすべき少数の物質を選定した結果を示した。ついで, 再生処理プロセスにおける必要十分な除去性能を見積もるとともに, 過剰処理も回避できることを指摘した。病原微生物リスクの特徴を述べた後, 障害調整生存年数 (DALYs) の意義を論じた。DALYsを用いた化学物質と微生物リスクの大きさの比較例を示すとともに, 必要な水処理レベルとの関係を論じた。さらに, 許容リスクレベルを議論するに当たっては, 人々のリスク認知上の特性も考慮する必要があると指摘した。
著者
伊藤 禎彦 中西 智宏 曾 潔
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.225-233, 2022-08-31 (Released:2022-09-23)
参考文献数
17

人口減少が進む中,小規模水供給システムに焦点を当てる重要性が高まっている.訪問調査を行った地元管理されている水供給施設について,いくつかの観点からその実態を示した.小規模水供給システムにおいては,微生物的安全性の確保を優先する必要がある.限定的な情報の下で,微生物的な安全性を確保するためのアプローチ方法を提示した.また,京都市内の水利用施設を対象とし,原水の微生物リスクを推定したうえで,必要な浄水処理レベルについて考察を行った.