- 著者
-
太田 岳史
小谷 亜由美
伊藤 章吾
花村 美保
飯島 慈裕
マキシモフ トロフューム
コノノフ アレキサンダー
- 出版者
- 日本森林学会
- 雑誌
- 日本森林学会大会発表データベース
- 巻号頁・発行日
- vol.124, 2013
筆者らは,1998年よりロシア・ヤクーツクの北方,約20kmに位置するスパスカヤパッド・カラマツ実験林において,渦相関法を用いた全生態系からの蒸発散量,光合成量の観測を行ってきた.植生条件は上層植生は2007年6月に展葉していた樹木が枯れ始め,下層植生は2006年~2007年よりコケモモから湿地性の草本や低木が繁茂するようになった.気象条件は,降水量は,1998年~2000年は平年並み,2001年~2004年は渇水年,2005年~2009年は豊水年,2010年~2011年は平年並みとなった.その間に,大気側の成分(放射量,気温,飽差など)はあまり大きな経年変動をしなかったのに較べて,地表下の成分(地温,土壌水分量)は明確な経年変動を示した.そして,蒸発散量,光合成量は,この地表面下の成分により変化したと考えられた.すなわち,土壌水分量と蒸発散量は関係は2007年から低下しており,土壌水分量と光合成量は1年遅れて2008年より低下した.つまり,2005年から土壌水分量は上がりはじめ,2年の時間遅れで蒸発散量を低下し,光合成量はもう1年の時間遅れが必要であった.詳しくは,講演時に発表する.