著者
隈崎 健二 曹 景文 伊藤 貴司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.67, pp.59-63, 2002-05-13

2次高調波エコー信号から生体組織の減衰特性や散乱特性を排除し,2次高調波を引起こす生体組織の音響パラメータを示す非線形パラメータを検出し,画像化する非線形パラメータ・イメージングが秋山らによって提案されている.しかし,広帯域の送信において,エコー信号に含まれる基本波成分と2次高調波成分の周波数帯域が重なっている場合では,両帯域を完全に分離し,精度よく非線形パラメータを検出することは困難である。また散乱特性の排除により,特に強い反射エコーが高輝度で表れないため,組織の構造的表現が乏しい画像となるとの問題点がある.本報告では,鎌倉ら考案の技術を用いて基本波成分と2次高調波成分を個別に検出し,更に強い散乱体の散乱特性をある程度保持させることによって非線形パラメータ・イメージの画質を改善する。