- 著者
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伊藤 隆子
- 出版者
- 千葉看護学会
- 雑誌
- 千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.2, pp.56-64, 2004-12-30
- 被引用文献数
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本研究の目的は,要介護者が病院から在宅療養へ移行する際,在宅での生活を選択し準備し開始し継続していくためのケアマネジメント過程において,在宅介護支援センター所属の看護職ケアマネジャーは,その行動の背景にどのような認識をもつのかを明らかにすることである。データ収集は,看護職ケアマネジャーが過去に担当した事例を想起してもらい,退院前から関わり在宅療養が開始されるまでのケアマネジメント過程に対して半構成的インタビューを実施した。看護職ケアマネジャーの選定は,介護保険制度以前からケアマネジメント業務に専念していた在宅介護支援センターに所属する看護職ケアマネジャーへ依頼した。インタビュー内容は逐語録に起こしデータとし,質的内容分析を行なった。抽出された認識カテゴリーは,1.入院中の療養者の病状・ADL・精神心理状態の査定,2.外部支援導入の可能性を含めた在宅での介護力の査定,3.在宅療養に関して起こりうる問題の予測,4.看護専門職の判断への追認と留保,5.能動的態度による在宅介護実現の可能性の模索,6.在宅生活継続のための生命維持に必要な条件の判断,7.療養者(あるいは家族介護者)の望む生活への共感,8.外部支援サービスの調整と拡大のための工夫,であった。今回分析の対象となった看護職ケアマネジャーが語ってくれた6事例共に一貫して現れていた認識は,自分自身が決して感じたことのない他人の感情の只中へ,自己を投入する能力であるともいえる「能動的な態度で在宅介護実現の可能性を模索する」という認識であった。看護職ケアマネジャーは,看護専門職として査定した医療的ニーズを優先しようとする自分と,療養者の望む生活へ共感し,その