著者
石橋 みゆき 吉田 千文 雨宮 有子 木暮 みどり 樋口 キエ子
出版者
日本保健医療福祉連携教育学会
雑誌
日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携 (ISSN:18836380)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.19-28, 2017 (Released:2019-09-26)
参考文献数
17

【目的】退院支援過程における退院調整看護師(以下DCN)とソーシャルワーカー(以下SW)が用いる,それぞれの職種に特有な専門性を反映した技術の性質や特徴を明らかとする。 【方法】同一施設で働くDCNとSW5組10名を対象に退院支援実践について半構造化面接を実施し,その内容を質的帰納的に分析した。 【結果】DCNとSWの退院支援の意図は共通であっても,家族支援,目標設定や課題のアセスメント,他職種との協働,院内の退院支援の質向上への働きかけ等において,用いる技術に専門性を反映した特徴や性質の違いが見られた。DCNは,療養者の予測される状態を自らアセスメントして他職種にその内容を確認し,SWは療養者の現在のニーズを多職種との連携・調整を行う中で把握するという特徴が明らかとなった。 【結論】退院支援過程におけるDCNとSWが用いる技術の性質や特徴は「支援対象の捉え方」と「多職種との関り方」を中心に専門性が反映されることが明らかとなった。
著者
石橋 みゆき 吉田 千文 樋口 キエ子 丸谷 美紀 伊藤 隆子 雨宮 有子 諏訪部 高江 神谷 明美 平野 和恵 林 弥生 木暮 みどり
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、療養の場の移行支援の構築を目指し、退院支援に係る看護技術を体系化することである。計26病院に勤務する協働して退院支援を実施している関係にある看護師ら計48名へ半構成インタビューを実施し、先行研究の枠組みを基盤に内容を分類・統合し計21の退院支援技術が明らかとなった。退院支援に係る21の看護技術は、#0本人の意向を見極めセルフケア能力を高める、#1家族への支援と家族との協働、#2医療福祉専門職との連携と協働、#3退院支援体制発展に向けたシステム構築という4段階で体系化でき、個への支援(ミクロ)から地域への貢献を意図した支援(マクロ)に向かって拡大する方向であると考えられた。
著者
樋口 キエ子 原田 静香 カーン 洋子 山口 和枝 金子 裕子
出版者
順天堂大学
雑誌
医療看護研究 (ISSN:13498630)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.42-49, 2008-03
被引用文献数
1

退院後の患者・家族の退院支援への要望・意見から退院支援のあり方を検討することを目的とした。方法は,地域特定機能大学付属病院に入院し,退院支援部署で指導を受けた患者家族の「退院支援への要望・意見」の記述データを分析した。その結果,患者家族が希望する退院支援は,【対象者の意思を尊重した退院準備】【療養継続に向けたケアの計画的指導】【退院後の生活を見据えた社会資源の紹介】【対象者にわかる連携体制】【対象者に伝わる診療看護体制】の5コアカテゴリーとそれを構成する内容が明らかになった。特にケアの継続に向けた指導の要望が最も多く,対象特性は高齢者夫婦や医療ニーズが高い療誉者が多い結果から,退院支援の開始時期,患者・家族にわかる退院支援システムづくり,関係者間のチームケアの必要性が示唆された。患者・家族の求める継続ケアの実現には,退院後の生活を見据えた退院支援体制づくりが求められる。