著者
佐々木 一郎
出版者
The Japanese Society of Insurance Science
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
no.603, pp.69-86, 2008

昨今のわが国では,親の収入・学歴・職業と,子の収入・学歴・職業との関連性が顕著に高まるなど,階層固定化傾向が強まり,格差社会が進展しつつあることが先行研究から指摘されている。一見すると,年金問題(とりわけ若者の年金未加入未納問題)は,この格差社会の問題とは無関係にみえるかもしれない。しかし,親の年金意識の「格差」から,子の年金未加入・未納率に顕著な差が生じている可能性もあり,年金問題は格差問題と深いかかわりがあることも考えられる。本研究では,大学生対象のアンケート調査データから,親の年金意識の格差と,子の国民年金未加入との関係を分析した。分析の結果,親の年金意識の格差は,子の国民年金未加入に顕著な影響を及ぼしていることが明らかになり,年金問題には,格差問題の一端が反映されていることが示唆された。
著者
石塚 勝十志 佐々木 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.95, pp.1-8, 1995-06-17

昨今の就職状況は学生にとって非常に厳しいといえる。そのような状況の中で、学生は自分自身にあった企業をより良く選択するためには、明確に自分自身を知る必要があり、その手助けとなるべきものを考案できれば良いと思われる。本研究では、現在、社会で最も広い範囲で使われている心理学の性格テストである「矢田部-ギルフォード性格テスト(以後「Y-G検査」と略す)の結果と、就職の職業適性(特にソフトウエア業種)および就職意思決定とに相関があるかどうかを研究する。また、Y-G検査の結果より就職適性をファジイ推論により推定することを試みた結果、これらには相関があることが判明した。