- 著者
-
佐々木 新介
- 出版者
- 関西福祉大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2012-04-01
本研究では,静脈穿刺時の上肢温罨法の効果について検討した.静脈穿刺時の静脈怒張を評価する場合,駆血の影響を考慮する必要がある.そこで,適切な駆血条件を設定し温熱刺激による血管怒張を評価した.まず,実験室内で健常人を対象に5分間の簡便な上肢温罨法を考案し,有意な血管拡張が得られることを確認した.次に,血液透析患者23名に対してクロスオーバーデザインの臨床介入試験を実施した.その結果,シャント穿刺時に温罨法を実施した場合,1回での穿刺成功率は100%であったが,非温罨法時の穿刺成功率は91%であった.以上より,上肢温罨法による血管拡張効果を認め,看護援助としても有用である可能性が示唆された.