- 著者
-
佐田 務
- 出版者
- 一般社団法人 日本原子力学会
- 雑誌
- 日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.4, pp.244-248, 2009 (Released:2019-06-17)
- 参考文献数
- 7
- 被引用文献数
-
2
2
日本の原子力開発は,人々の熱狂的な支持の下に始められた。しかし昭和40年代後半になると,社会党やその傘下の労働団体,学生運動,そして都市に拠点をもつ市民運動が,原発立地点における住民運動を支援する形で,反原発運動に参入しはじめる。そしてチェルノブイリ事故後の反原発ブームの到来により,運動は昭和63年に空前の盛り上がりを見せた。しかし,その後の反原発運動は,「もんじゅ」でのナトリウム漏れ事故やJCO事故,美浜発電所3号機での事故などのトピカルな問題では,ある程度の盛り上がりを一時的に見せることがあるものの,全般的には消沈する道をたどっている。