著者
桑本 暢子 菱沼 典子 中山 和弘 鈴木 和代 青池 慎一 佐々木 杏子 佐竹 澄子 品地 智子 中村 佳代 古川 優子
出版者
聖路加国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

脳卒中患者に対する背面開放座位ケアプログラムの定着を目指した看護師支援ツール開発のために、普及理論をもとに質的研究を行った。結果、促進因子は,認定/専門看護師がオピニオンリーダーとなり,コアナースの育成,多職種/家族の協力,病棟文化,電子チャートにケア項目として入れる,プログラムをアレンジする,相対優位性/試行可能性,/両立可能性が高いことであった.阻害因子は,看護師の異動,採用拒否者の存在,教材不足,複雑性/観察可能性の低さであった.促進/阻害因子の多さ,強さによって,導入/実施継続,中断が起こっていた.定着には,プログラムの重要要素は保持した上で内容を変化させることが重要であった.
著者
大久保 暢子 牛山 杏子 鈴木 恵理 佐竹 澄子 小板橋 喜久代
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.121-130, 2011-04-20 (Released:2016-08-01)
参考文献数
65

日本看護技術学会技術成果検討委員会の一組織であるポジショニング班では,看護職が行うポジショニング技術を既存の研究成果と臨床知から言語化し,臨床看護師に広く公表していく活動をしている.本研究では,活動の第一段階として看護職が行うポジショニングの定義を明確にすることを目的とした.また看護学同様,理学療法学におけるポジショニングの定義を調査し,看護学の定義と比較検討した.調査対象は,国内の大学に所蔵される看護学分野および理学療法学の国内外の教科書および参考書計 253冊で,方法は,ポジショニングの言葉が記載されている箇所を定義,目的の観点から抽出し,看護学,理学療法学ごとに共通性を分析し,定義と目的と導いた.倫理的配慮は,対象書物に偏りがないよう関東にある大学の最新版を採用した.結果,看護学における定義を「対象の状態に合わせた体位や姿勢の工夫や管理をすること」とし,目的は,安楽,合併症 ・ 廃用症候群の予防,気分転換などがあがった.理学療法学の定義は,対象者以外に介助者との関係も含んだ内容であり,看護学とは異なる点があった.今後は,上記の定義を仮定義として扱い,さらに臨床看護師のポジショニング技術の実践内容を分析したうえで,看護におけるポジショニング技術の言語化を進めていく予定である.