著者
宗野 文俊 佐藤 亮平
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.120, pp.137-158, 2014-06-30

本稿では,戦後の学習指導要領における「ゴール型」ゲームの戦術的内容を示すと考えられる「集団的技能」に着目し,戦術的課題の取り扱いの変遷について検討した。その結果,ボールゲーム指導では一貫して「ゲーム」の質を向上させることが目指されてきており,その中で「集団的技能」は,ボール操作や身体操作の技能である「個人的技能」と「ゲーム」を結びつける媒介項として位置づけられ,この「集団的技能」の位置づけが現行学習指導要領における「ボールを持たないときの動き」として踏襲されていることが明らかになった。そして,戦術的要素である「集団的技能」を容易で単純なものから複雑で難解なものへと線形的に積み上げて全体の「ゲーム」に発展させるように企図されてきたものであるため,「ゲーム」そのものの変容をとらえる観点を見出す必要性があることが示唆された。
著者
近藤 雄一郎 佐藤 亮平 沼倉 学
出版者
福井大学教育・人文社会系部門
雑誌
福井大学教育・人文社会系部門紀要 = Memoirs of the Faculty of Education, Humanities and Social Sciences University of Fukui (ISSN:24341827)
巻号頁・発行日
no.5, pp.285-302, 2021-01-19

本研究は「ベースボール型球技」の特徴を明らかにするための基礎的研究として,ソフトボール及びティーボールの競技構造を提起することを目的とし,金井(1977)のスポーツ技術論を援用しながらソフトボール及びティーボールの競技構造を提起することを試みた.研究の結果,各種目を成立させているプレーグラウンドとしての「運動空間」,ルールや用具などの「客観的運動手段」,運動主体が有する技能や戦術能などの「主体的運動手段」について共通性が見られた.一方で,「運動主体」に位置づく投手及び捕手の有無がソフトボールとティーボールにおける大きな違いであり,投手の投球からプレーが開始されるソフトボールと,打者の打撃からプレーが開始されるティーボールのゲーム性に差異が生じていた.以上のことを鑑み,ソフトボールの「競技目的」を「ボールを道具(バットとグローブ)で捕捉することによって生じる時系列的勝敗を身体およびボールの移動で競う」こと,ティーボ―ルは「ボールを打撃することによって生じる時系列的勝敗を身体およびボールの移動で競う」ことにあると提起した。