著者
佐藤 三郎
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1961, no.4, pp.31-45, 1961-04-20 (Released:2010-01-22)
参考文献数
36

環境の諸相が絶えず変っていくということ、我々が二度と同じ川の流れの中に立つことが出来ないという事実は、否定され得ない。従ってまた、我々の実践的態度も、この変貌していく条件に即して変ってこなければならないということが出来る。けれどもこのような、変化にはある変化をもって応えていく我々の日常行動には、既に、ある不変なものが変化の規準として内在することを前提にしている。さもなければ、変転する条件に我々が即応することの何らの正当性もなくなるであろう。たとえ如何なる姿で存在するにせよ、我々は常に、この暗黙裡の前提に立脚することによって、流転する現実に何らかの是非の態度をもって取り組んでいる、と考えられる。我々の行動の規準であるこの暗黙裡の前提は、様々な形で表現されて来たが、表現され概念化されたものと、それの拠って立つ実相との間には、常にある距離が存在している。この距離は、人間の存在の仕方である実存の本質が絶えざる自己更新であり自己超越であるところから、或いは永遠の距離であるとも考えられる。思想の歴史に見られる具体的な思想の消長変化の事実は、かかる関係の明白な証左であると思う。従って、もしも思想の永遠性というものがあるとするならば、それは、この暗黙裡の前提の実相にどれ程忠実に立脚して、そこから絶えず生命を補給していくかに依存するものである、という見方が成り立つようにも思われる。私は今このような観点から、デューイの思想を考察して見たいと思う。彼の試みた過去の思想的伝統への挑戦とその革新への努力が、やがては彼の思想そのものが挑戦され革新される契機をはらみながらも、なお且つ生きていく永遠なものをそこに探って見ること、これが本稿の論点である。
著者
佐藤三郎著
出版者
中央企画社
巻号頁・発行日
1972
著者
永沢 勝雄 佐藤 三郎 石渡 英夫
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.17-24, 1954-09-30

桃果実の保護の目的をもつて実施されている袋掛が果実の着色,硬度,果皮の厚さ,果実の成分などにいかなる影響を及ぼしているかを明らかにし,無袋果実が有袋果実にくらべ,実用的価値においてすぐれている点の多いことを知つた.各特性について比較して得た結果の大要は次のようである.1.果実の紅色色素の発達程度は品種によつて差があるが,有袋・無袋両区間の差異も品種によつてちがつた状況を示す.着色程度のちがいによつて次の4群に類別した.a)有袋・無袋両区の間に着色程度に差があり,有袋果では色つきが悪いが,無袋ではどす黒い程度の濃紅色を示すもの……伝十郎,白鳳,土用,橘早生などb)有袋・無袋両区の間に着色に差があるが,有袋果は色つきが悪く,無袋果でもそれほどひどい濃紅色を示さないもの……離核,岡山500号など c)有袋・無袋両区の間に着色の差がひどくなく,有袋でもある程度の着色を示し,無袋果でも相当程度の着色を示すもの……旭,スイカ桃,天津,昭和,大久保など d)有袋・無袋両区の間に着色の差がひどくなく,有袋でもある程度の着色を示すが,無袋でもあまり着色せず,商品価値を損ずるほどでないもの……早生玲紅,佐五平,日月などしたがつて,無袋果でも外観がひどく劣変しない品種としては,旭,早生玲紅,佐五平,日月,昭和,大久保,スイカ桃,天津などがあげられる.2.果実の硬さは有袋・無袋によつてそれほど大きな差異を示さないが,がいして無袋果の硬度が減少する傾向を示している.3.果皮の厚さは無袋果の方が有袋果より厚くなつている.4.糖分含有量は無袋果の方が有袋果より10%内外多くなつている.5.果実内の酸の含量は無袋果が有袋果よりいく分少いようであるが,その差はあまり大きくない.6.果実内ビタミンC含量は無袋果の方が有袋果より10%内外増加している.7.果実の硬度,果実内成分含量,ペクチン含量,着色の変化などから綜合的に判定して,無袋果の成熟期は有袋果よりいく分促進されるようである.
著者
佐藤 三郎
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
日本教育学会大會研究発表要項
巻号頁・発行日
vol.18, pp.111-112, 1958-08-28