著者
佐藤 弘夫
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究においては、石塔や金石文を資料として、普遍的で民族固有の感覚とみなされがちな遺骨の重視が、実はこの列島で展開した長い歴史の中でしだいに形成されたものであったことを明らかにした。遺骨に対してまったく関心を払うことがなく、遺骸を放置して省みなかった古代の人々。火葬骨を大切に霊場まで運んだ中世の人々。家の墓を作って骨を収め、定期的に墓参を繰り返した近世以降の人々。この三者に、死者や霊魂についての共通する観念を見出すことはきわめて困難である。それは、「日本人の死生観」という形で総括されてきたこれまでの通説が、根本的に見直される必要性があることを示すものにほかならないのである。
著者
何 燕生 末木 文美士 佐藤 弘夫 池上 良正
出版者
郡山女子大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

栄西や道元、円爾などの入宋僧の精神世界について、実地調査に基づきながら、文献学および宗教学の視点から再検討し、中世宗教研究の新たな展開を図かろうとした。具体的には、まず入宋僧たちが当時訪れたとされている現在中国の杭州や寧波、天台山、普陀山などの地域の寺院におけるそれぞれの足跡を実際に調査し、経済成長と宗教復興が進む近年において、それらの遺跡が一体どのような現状におかれているかを確認した。次はそれらに対する分析を踏まえつつ、歴史的、宗教的コンテキストに即して総合的な理解を試みようとした。さらには、仏教学や日本思想史などの諸分野による関連研究とも連携し、可能な限り学際的に検討することを目指した。
著者
佐藤 弘夫
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」
雑誌
死生学研究 (ISSN:18826024)
巻号頁・発行日
vol.16, 2011-10-31

公開・国際シンポジウム「イメージとヴィジョン : 東西比較の試み」