著者
田巻 松雄 狩谷 あゆみ 文 貞実 中根 光敏 山口 恵子 山本 薫子 稲月 正 稲葉 奈々子 野村 浩也 佐藤 繁美 西澤 晃彦
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

本研究から得られた主な知見は以下の通りである。1.近年における野宿者の増大と寄せ場における労働市場の縮小とは密接な関係にある。ただし、寄せ場の縮小は不況の単なる反映ではなく、建設産業の大きな再編に起因する。建設日雇労働市場の就労経路が多様化するとともに、飯場の実態に見られるように、建設日雇の労働条件が一般的に悪化している。2.近年の寄せ場の著しい変容には、寄せ場を都市下層の姿を隠蔽しつつ同時に労働力をプールする場として利用してきた行政の寄せ場対策のドラスティックな政策転換が関係している。3.野宿者の増大と可視化にともなう社会問題化によって国及び自治体でのホームレス対策が本格化しているが、従来、福祉面での対応に比べて労働対策の遅れが著しかった。近年、「就労自立」を軸とするホームレス対策が急展開しているが、行政的な狭い枠組みでの「自立」をもとに野宿者を分類・選別するなど、改善すべき課題は多い。4.従来、寄せ場や野宿の問題を語ることは、とりわけ高齢単身の男性を語ることであった。しかし、女性の野宿者が増大している事態、さらに寄せ場の歴史を捉えなおす上でも、ジェンダー的視点を盛り込み、男性野宿者の周辺部にいる女性野宿者の位置から探題設定することが必要になっている。5.野宿者問題は産業構造の変容・再編に伴う労働問題や行政施策の仕組みなどが深く係わる現代の貧困問題であり社会問題であるが、野宿者や日雇労働者、さらには外国人労働者を社会に適合しない特殊な人々と見る社会的風潮は依然強く、このことに起因すると思われる社会的排除の現象が様々な形で生じている、
著者
石崎 龍二 佐藤 繁美
出版者
福岡県立大学人間社会学部
雑誌
福岡県立大学人間社会学部紀要 (ISSN:13490230)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.71-86, 2020-02-29

統計演習科目における授業改善点を、記述統計・推測統計に関する知識、データ分析スキルについての学生の自己評価、レポート課題、グループワーク報告書の評価、eラーニング確認テスト結果等より考察した。 学生の自己評価において、記述統計・推測統計の専門用語を理解している割合が、受講前と比べて全23項目で上昇したものの、有意水準1%もしくは5%で有意に上昇したのは10項目であっ た。データ分析のスキルについては、受講前と比べて「Excelを使った統計処理」の項目別操作スキルの全16項目中15項目が有意水準1%もしくは5%で有意に上昇した。 学生の自己評価、レポート課題の評価、グループワーク報告書の評価、eラーニング確認テスト結果等から、記述統計から推測統計への導入教育、テキストにおける推測統計の解説内容の改善の必要性、レポート課題、グループワーク、eラーニング確認テスト等の改善点を抽出した。