著者
齋藤 健治 渡辺 正和 佐藤 菜穂子 井上 伸一
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 医学・健康科学・スポーツ科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; MEDICAL, HEALTH, and SPORTS SCIENCES (ISSN:21875162)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.1-16, 2021-03-31

投球速度が異なる2名の大学野球投手を対象に,投球動作とパワー系体力を測定分析し,その差の原因を探ることを目的とした。対象とした2名の選手間には体格の差はないものの,投球スピードの差が10~20km/hあった。投球動作の量的分析には三次元動作解析法を用い,ハイスピード動画撮影による質的な分析も行った。動作解析では,指先から肘,肩,体幹,腰などの速度や,肩,肘,腰などの関節運動の角速度等を求めた。これらの動作解析結果と体力測定結果から,2名の選手間には体幹部の動きの方向,近位部の減速による遠位部の加速という相互作用,上肢関節の使い方,立ち五段跳びやメディシンボール投げなどのパワー系体力と背筋力などに違いがあることが明らかとなった。
著者
齋藤 健治 佐藤 菜穂子 井上 伸一
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 医学・健康科学・スポーツ科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:21875162)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.17-30, 2018

本研究の目的は,野球の打撃において投球コースに対応してバットがどのように動くか,バットスイングの軌跡を曲線の観点から分析することであった。実験参加者8名に,腰の高さに設定したティー台を目標にして,センター,イン,アウトの三つのコースに対応したスイングを行わせた。バット,ティー台,参加者身体等に貼付した反射マーカーの座標を,三次元動作解析装置を用いて計測した。得られた三次元座標値を補間,平滑化した後,バットトップとグリップエンドについて接線,主法線,従法線の三つのベクトル(動標構)を,さらに曲率,曲率半径,捩率,縮閉線を求めた。バットトップとグリップエンドの軌跡曲線の動標構から,スイングの特徴を観察することができた。また,曲率・曲率半径や捩率も振り出しからインパクトまでのバットの動きを分析する上で有用であった。曲率中心の軌跡,すなわち縮閉線は,同様にコースに対応したスイングの違いを示していたが,曲線形状が複雑でその特徴がつかみにくいため,今後のさらなる検討が必要であった。
著者
佐藤 菜穂子
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.431-437, 2018-12-01 (Released:2018-11-21)
参考文献数
28
被引用文献数
1

Although street dance quickly became popular in Japan, and the population of street dancers is increasing, there is limited information on injuries sustained during street dance in Japan. The purpose of this study was to investigate the epidemiology of injuries in street dancers in Japan. One hundred and ninety-five Japanese street dancers (92 intermediate, 35 advanced, and 68 expert dancers) participated in this study. A questionnaire survey concerning the injuries sustained during dancing was conducted over a 3-month period. The main results were: (1) Sixty-one dancers reported a total of 72 injuries, and injury rate was 0.56 per 1000 players-hours; (2) Ankle injuries accounted for 45.8% of the reported injuries; (3) Dancing proficiency level was related to the occurrence of injury, and the occurrence was significantly higher for the expert dancers; (4) The duration of warm-up was related to the occurrence of pains. These findings provide fundamental information that may contribute to the development of injury prevention in street dance.
著者
佐藤 菜穂子 山田 哲 水上 昌文 冨田 和秀 居村 茂幸
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.651-656, 2010 (Released:2010-11-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

〔目的〕ダンスパフォーマンスの上肢の『ウェーブ』動作に着目し,熟練者群,未熟練者群の運動特性と,身体スキルの言語化を対応させ,身体スキルを構成する因子を模索することを目的とした。〔対象〕ウェーブ動作熟練者群5名,未熟練者群9名の計14名とした。〔方法〕三次元動作解析装置と表面筋電図を用いてウェーブ動作を測定し,パーセント上下運動,ウェーブ伝播速度,パーセント角度変化,パーセントMVCを算出した。熟練者群にはコツを別途聴取した。〔結果〕熟練者群と未熟練者群を比較し,4つの運動特性が得られ,その中の2つが熟練者群のコツの言語表現とほぼ一致した。〔結語〕言語表現とほぼ一致する2つの運動特性は,身体スキルを構成する因子として捉えることができると考えられた。