著者
国武 ひかり 佐藤 郷子 野明 俊裕 荒木 靖三 高野 正博
出版者
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
雑誌
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 (ISSN:18820115)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.72-82, 2015 (Released:2020-07-17)
参考文献数
20

高齢者を中心とした2,250名を対象として、WexnerスコアやConstipation Scoring System(以下、CSS)スコアを参考に質問票を作成し、排便に関連したアンケート調査を実施した。アンケート回答者のうち、60歳以上の1,709名から得られた結果を分析した。その結果、便失禁、尿失禁、ガス失禁の有症率はそれぞれ、5.3%、20.5%、29.8%であった。便失禁に着目して分析した結果、便失禁の有症率は、男性では尿失禁がある場合20.1倍、女性では尿失禁がある場合は5.8倍、ガス失禁がある場合は5.0倍になることが分かった。
著者
新垣 淳也 荒木 靖三 野明 俊裕 的野 敬子 鍋山 健太郎 岩谷 泰江 岩本 一亜 小篠 洋之 佐藤 郷子 高野 正博 佐村 博範 西巻 正
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.310-316, 2014 (Released:2014-04-30)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

目的:毛巣洞に対する当院で行ったV-Y plastyの手技と成績について報告する.対象と方法:2006年から2012年までの毛巣洞手術症例14例を対象とし,V-Y plastyの手術治療経験についてretrospectiveに検討した.結果:平均年齢31.5歳(16~48歳),全例男性.平均体重75.5kg(63.4~92kg),BMI 26.0kg/m2で,25kg/m2以上の症例は8例(57.1%)であった.病悩期間は平均15.5ヵ月(3日~5年),平均手術時間45.3分,術後合併症は6例(42.9%)のうち,創感染5例,創部不良肉芽形成1例であった.皮弁壊死など重篤な合併症はなかった.術後再発症例は認めていない.考察:病巣切除,一期的創閉鎖,V-Y plastyは,手術手技が容易で再発が少なく安全性が高いことより容認できる手術術式である.今後症例を蓄積しながら慎重な経過観察が必要である.