著者
佐野 徹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.585-593, 1988-10-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

隆鼻術において, 固形シリコンインプラントの使用は, ますます増大してきている.インプラントの挿入は, 骨・軟骨の容積を補う目的であるので, 土台となる骨面との固定性は重要なことである.術後に患者が指で鼻を押さえて, 鼻筋と一体となってグラグラ動くようでは, 本来の目的を達していないと思われる.ひいてはこの固定性の良否が術後の合併症を予防する上でも重要な点であると考えられる.隆鼻術は無視野の手術であるため, インプラントの挿入された部位の確認が明確でなく, 骨膜下に挿入すべきものであるのか, 骨膜上でよいのかは, 従来議論の別れるところであった.ラットを用いた実験で, 骨面にじかにインプラントを置いたものと, 骨膜上に置いたものとに分けて, その固定性を比べてみたが, あたかも骨と一体化したように固定されるのは, 前者であった.このことから, 隆鼻術の際の骨膜剥離操作の重要性が確認された.次に, 隆鼻術の際に骨膜下に, インプラントの先端を挿入し得るポケットの作成が可能であるか否かの問題点である.肉眼的には, 鼻部腫瘍の手術の際, 骨膜剥離子の先端で鼻骨骨膜の剥離は可能であり, 光顕的には, 骨膜および周辺の組織を2倍の長さに牽引しても, 伸びた骨膜は連続しており, 結果として骨膜下の剥離そのポケットの作成は可能であった.しかし, 骨膜が破壊されても, その結果, 骨面に接してインプラントがあれば, 同様に良い固定性を得ることができると思われる.いずれにしても, 隆鼻術の際の鼻骨剥離操作を十分に行うことが重要となる.
著者
佐野 徹 加東 勝 齊藤 貴樹 天野 英晴
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.12, pp.2579-2586, 2010-12-01

動的リコンフィギャラブルプロセッサにおいて,構成情報転送と実行のオーバラップができない際に,データ転送用の結合網を構成情報の転送に転用することで,構成情報転送時間を削減する手法,データバスコンフィギュレーションを提案する.動的リコンフィギャラブルプロセッサMuCCRA-3.32bを対象として,実際に設計及びシミュレーションを行った結果,データバスコンフィギュレーションの適用によってわずか1.3%のハードウェアオーバヘッドで,構成情報の転送時間を半分近くにすることができることが示された.f転送中の消費電力は増加するが,効率的な転送により消費エネルギーは2D-DCTの場合36%の削減が達成された.