著者
西森 栄太 尾形 哲 小林 聡 尾下 雄紀 依田 淳 仲 元司 田中 直樹
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.369-376, 2022-07-30 (Released:2022-07-30)
参考文献数
28

本研究では糖尿病専門医の脂肪肝・肝癌の診療の現状および課題を明らかにするため,長野県の糖尿病専門医に対してアンケート調査を行った.特に,糖尿病との関連が大きい非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を対象とした.専門医69名中44名(64 %)から回答を得た.肝逸脱酵素および血小板の測定頻度は回答者の約90 %が6ヶ月以内としていたが,FIB-4 index算出は64 %にとどまっており,エビデンスと診療のギャップが認められた.画像検査は73 %が自施設で実施しており,その割合は病院勤務医で有意に高かった.糖尿病からの肝癌は半数以上が経験し,消化器病専門医との連携の提案があった.本研究から,糖尿病専門医へのNAFLD線維化スクリーニングの周知と実施,画像検査を含めた評価システムおよび消化器病専門医との連携の必要性が明らかとなった.糖尿病専門医がNAFLDを診療する意義・役割は大きいと考えられた.
著者
剣持 三平 竹津 英二 依田 淳一 小池 真史 亀村 勝美
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.225-238, 2007 (Released:2007-06-20)
参考文献数
23

トンネル掘削における初期変位量と収束変位量の関係は,従来,掘削工法や支保工の仕様に関わらず一本のラインで描かれることが多い.しかし,トンネルをより安全かつ合理的に施工するためには掘削工法により変化するトンネルの変位量を精度よく予測し,制御する必要がある.本研究では,膨圧性地山を掘削する長大トンネルで得られた内空変位計測の結果から掘削工法および支保工の仕様の違いが初期変位量と収束変位量の関係に及ぼす影響を定量的に明らかにし,それらを利用した掘削管理手法について提案する.
著者
西森 栄太 尾形 哲 高杉 一恵 依田 とし江 大井 さおり 関口 憲一 工藤 絹子 依田 淳 南 茂 仲 元司
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.297-306, 2018-05-30 (Released:2018-05-30)
参考文献数
37

わが国の糖尿病および非アルコール性脂肪性肝疾患(以下NAFLDと略す)の食事療法はカロリー制限食が中心であるが,近年,糖質制限食の有効性も報告されている.本研究では,2型糖尿病に伴うNAFLD患者に対する糖質制限食の効果を検討した.糖質制限食群は糖質を1日70~130 g,カロリー制限食群は1日総エネルギー摂取量を標準体重×25 kcal/kgとして,全患者28名を無作為に割り付けて3ヶ月間の比較試験をした.結果,介入後3ヶ月では,各群とも,腹部単純CT検査による肝脾CT値比の有意な上昇,内臓脂肪面積,AST,ALT,体重およびHbA1cの有意な低下が認められた(P<0.05).また,2群間では,内臓脂肪面積が糖質制限食群で有意に低下していたが,その他の項目には有意差は認められなかった.2型糖尿病に伴うNAFLDの糖質制限食はカロリー制限食と同等の改善効果があることが示された.