著者
水原 詞治 前背戸 智晴 倉持 秀敏 大迫 政浩
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.27, 2016

除染廃棄物を処理する仮設焼却炉では、焼却飛灰からの放射性Cs溶出率が低いなど、一般廃棄物焼却炉とは異なる傾向が確認されているが、放射性Csの挙動について知見が十分でないため、本研究では除染廃棄物仮設焼却炉の耐火物における放射性Csの溶出特性、除去特性に焦点をあて、放射性Csの挙動評価を行った。その結果、除染廃棄物仮設焼却炉の耐火物は、難溶性Csが蓄積されやすく、結果として放射性Cs溶出率が低く、加熱による揮発除去が起こりにくい傾向が確認された。
著者
小林 潤 石原 賢人 樋口 剛志 倉持 秀敏
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.24, 2013

廃棄物由来のBDFおよびガス化ガスを燃料とするデュアルフューエルディーゼル(DFD)発電を最終目標として、廃棄物ガス化ガスの模擬ガスを用いたDFD発電を行い、その燃焼挙動およびエネルギー変換特性について検討を行った。なお、実験には市販の非常用小型ディーゼル発電機を用いた。また、主要燃料には2号軽油を用いた。実験の結果、模擬ガスを用いることで軽油消費量が低減することが明らかとなった。しかし、排ガス中に一部未燃分も確認され、今回の条件では気体燃料が完全に燃焼していないことが示された。
著者
阿部 清一 川本 克也 倉持 秀敏 大迫 政浩
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.25, 2014

溶融技術は、1,300~1,400℃の高温炉内で処理固形物を塩化物や可燃物と共に溶かし、Csを塩化揮発等により高効率に揮散分離して溶融飛灰中に濃縮できる技術である。前報では、草木類を含む土壌を対象として、大型テストプラントを用いた溶融試験を行い、Csを高効率で分離できることを確認した。そこで、本報では、処理対象の範囲を広げ、バイオマス焼却灰、下水汚泥焼却灰及びそれらと土壌の混合物について同様の実証試験を行い、以下の結果を得た。<br>① 対象物種によらずCaCl2添加により塩化揮発が起こり、全条件において95%以上、最大99.9%のCs揮散率が得られた。<br>② 二段BFの適用により、Csは少量のNo.1 BF灰に高濃度濃縮できた。また、それは水溶解しやすい性状であった。<br>
著者
倉持 秀敏
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.282-290, 2013-10-15 (Released:2016-07-30)
参考文献数
54

放射性物質汚染廃棄物の焼却処理(溶融等の熱処理を含む)に関して3 つの課題(放射性セシウムの挙動解明,排ガス処理,焼却炉内耐火物への蓄積)を提示し,原子力発電の爆発事故以降の学会発表を中心に,各課題に関する調査・研究を収集し,これまでの知見を紹介する.特に,挙動解明については,施設調査,実験研究,計算モデルの3 つの手法に分けて研究動向を整理しつつ,処理対象物による挙動の違いや挙動の制御性の観点から知見を考察する.一方,各課題に対して過去の文献から示唆に富む研究成果を紹介するとともに,これまでの知見と比較しながら,今後解明すべき課題や将来展開についても言及する.
著者
倉持 秀敏 崔 基仁 大迫 政浩 前田 光治 中村 一夫 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第18回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.175, 2007 (Released:2007-11-23)

トラップグリースのような低品質な廃油脂類をBDF原料として利用するには、既存のBDF製造ラインに投入する前に原料の脱水および遊離脂肪酸(FFA)の除去が必要である。そこで、本研究では、脱水方法として莫大な水の蒸発潜熱の投入を回避でき、かつ、後段の反応系への展開が容易な溶媒抽出法に着目し、溶媒抽出による脱水の可能性を検討するとともに、新規BDF製造法として抽出剤を含む抽出物をFFAの除去およびBDF製造プロセスに直接導入した場合を想定し、抽出剤がFFAの除去および油脂のBDF化に与える影響を調べた。