著者
浅利 美鈴 奥田 哲士 切川 卓也 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第29回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.161, 2018 (Released:2018-12-03)

被災した住民の方々(災害廃棄物を出したことのある人)を対象に、発災後の災害廃棄物に関する行動や評価の実態を把握するアンケート調査を実施した。結果、精神的なダメージを受けながらも、提示された分別に従おうとするスタンスが伺えた。他方、分別方法の提示はうまくいっているとは言えず、誤解も多い可能性が高いことがわかった。災害時の分別等に関する情報入手においては、コミュニティ(自治会や隣人付き合い)が重要であり、今後、平時のコミュニティ維持・再生も大変重要な側面となると考えられた。
著者
酒井 伸一 出口 晋吾 浦野 真弥 高月 紘 惠 和子
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.379-390, 1999-06-18 (Released:2010-05-31)
参考文献数
33
被引用文献数
5 5

ダイオキシン対策を考え, その効果を把握し, ダイオキシン類の環境動態を検討するためには過去からのダイオキシン類の蓄積状態や発生源の変遷を知ることは重要である。本研究では, 琵琶湖および大阪湾で採取した底質コアを用いてダイオキシン類の歴史トレンド解析を行った。その結果, 琵琶底質では19世紀半ばの底質層にダイオキシン類の存在が認められ, その後, 20世紀後半に濃度が大きく増加している。そして, 1980年前後に観察されたピークから現在は若干の減少あるいは横這いの傾向が続いていることが示された。異性体や同族体の変化や主成分分析から底質ダイオキシン類の主要な汚染源は燃焼由来のPCDDs/DFsに加え, 除草剤CNPやPCP中に含まれていたPCDDs/DFsの影響があると考えられた。
著者
浅利 美鈴 矢野 順也 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.1, 2015 (Released:2015-10-19)

ネットアンケートを実施し、消費者の食品類の消費・廃棄に関する意識や行動について検討した。 その結果、どの食品類も1割以上、野菜・果物類は36%の人が、ほとんど手をつけないまま廃棄した経験を持つことがわかった。その原因は「食べるつもりだったが、気づくと期限が切れていた」というものが主であったが、買い過ぎや嗜好性も影響していることがわかった。期限切れ等に至る理由としては、冷凍冷蔵庫や食品庫の在庫チェックをこまめに行っていないことが一因と考えられた。期限切れした食品への対応を尋ねた結果、2~3割の人が「開封せずにそのまま捨てる」としている。このように期限表示に頼る傾向が、食品ロス発生を助長していることも確認された。多様な食品ロス削減策に対する評価を尋ねた結果、様々な策の有効性が支持される結果となった。期限表示に応じた値引きの仕組みや、量り売り・適量販売等についても、検討の余地があると考えられた。
著者
柳川 立樹 矢野 順也 浅利 美鈴 平井 康宏 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.28, 2017

本研究では、食品ロス発生抑制行動による環境及び経済への影響を定量化することを目的とし、事業所における食品フロー推計及び食品ロス抑制による市場影響を評価するためのモデル開発を行った。推計対象事業種はスーパー、レストラン、ホテルとした。また、現状のままである基本シナリオ(S1)と発生抑制行動を実施するシナリオ(S2)を比較することで削減コストを推定した。その結果、コスト削減効果は食品廃棄物削減による影響よりも食品仕入量の削減による影響の方が大きく、温室効果ガス削減効果と同様の傾向を示した。全国へ拡大推計した場合には、市場規模に対してレストランで2.8%(2,202億円/yr)という結果となった。このような推計値は、食品ロス発生抑制による経済的便益を勘案するための指標とできる可能性がある。本モデルの精度向上には、摂食率などの不確実性の高い仮定や抑制行動によるコスト増加影響などの調査が必要である。
著者
酒井 伸一 矢野 順也
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.55-68, 2014-01-31 (Released:2021-04-23)
参考文献数
57
被引用文献数
5 1

食品廃棄物の 3R に対する取り組みは国内外で近年目まぐるしく展開されている。本報では食品廃棄物の定義や発生量等について国内外の現状を整理し,リデュース・リサイクルの LCA に関する複数の研究事例から定量的な効果を総合的に検討した。加えて老朽化が進んでいる国内の焼却施設の施設更新に伴う都市廃棄物 (MSW) 処理戦略として,食品廃棄物の嫌気性メタン発酵の導入による国内のエネルギー回収,温室効果ガス削減ポテンシャルを推定した。食品廃棄物のメタン発酵バイオガス発電とその他都市廃棄物の高効率焼却発電を組み合わせることで,2011 年現在と比較して 2020 年には 37 %,2030 年には 64 % の発電電力量増加が期待できる。現在未利用の家庭系をはじめとする MSW 中の食品廃棄物のメタン発酵利用は,特に焼却発電が難しい規模の中小都市にとって重要なエネルギー回収,温室効果ガス削減手段となることが期待できる。
著者
浅利 美鈴 名倉 良雄 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.310-319, 2019

災害廃棄物対策において,発災時の支援を含む地域間連携・協調の取り組みには,進展がみられた。指針等での役割や体制の整理に加えて,複数の災害において,支援実績や教訓が蓄積されつつある。たとえば,初動時のプッシュ型支援が効果的に働いてきたこと,支援の内容はさまざまであり支援マネジメントが重要であることなどがあげられる。さらに,特に 2018 (平成 30 ) 年に相次いだ災害への支援の速報的情報から分析すると,今後検討が必要な視点も多い。たとえば,支援内容のミスマッチを避けるための事前受援計画が効果的であること,国による支援マネジメントにおいては拠点をどこに置くかも重要であることなどがあげられる。また,今後は,大規模災害のみならず,同時多発的・連続的な通常災害時においても,現在の体制では対応が不十分となる可能性があり,平時からの人材育成や地域ブロック内・間の連携体制検討に加え,司令塔機能を補完する仕組みも検討する必要がある。
著者
浅利 美鈴 西本 早希 安藤 悠太 奥野 真木保 矢野 順也 酒井 伸一
出版者
大学等環境安全協議会
雑誌
環境と安全 (ISSN:18844375)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-10, 2021 (Released:2021-06-13)
参考文献数
28

プラスチック製品や廃棄物、マイクロプラスチックが世界的に大きな課題となり、様々な対策が検討されている。日本においても、2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」が策定され、3R+Renewableを基本原則とし、意欲的な数値目標を含むマイルストーンを設定した上で、重点戦略に基づく様々な取組が始まっている。しかし、様々な製品への使用に対する消費者の認識は十分とは言えず、意識・行動の把握も緒に就いたところである。 そこで、幅広く、かつ具体的なプラスチック製品を対象に、消費者や企業、行政等が情報共有を進め、今後の対話や議論につなげることのできる消費者意識・行動の可視化・コミュニケーションツールとして「プラ・イド チャート」を考案した。そのチャートの活用可能性を考察することを目的に、必要なデータをアンケート調査等から得て、プロットした。 「いる/いらない」「避けられる/避けられない」という2軸からなるチャートについて消費者アンケート調査結果を元に階層的クラスター分析を行ったところ、6群に分類され、チャートにおいて、それぞれ現在の消費者意識・傾向が分かり、特に短期的な対策に向けた検討に資する知見が得られた。
著者
寺園 淳 酒井 伸一 高月 紘
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.192-210, 1999-05-10 (Released:2011-11-08)
参考文献数
24
被引用文献数
1

阪神・淡路大震災では, 地震発生後に被災地の広範囲で一般環境大気中のアスベスト濃度が上昇した。この原因を探るために, 被災した建築物の解体に伴うアスベスト飛散について, 実測を含めて実態を調査し, 拡散モデルを用いて飛散の影響を検討した。まず, 自治体の協力を得て吹付けアスベスト使用状況を詳細に調査し, S造建築物での多くの使用事例や吹付けアスベスト原則禁止後も使用されていた事例などを明らかにした。また, 一般環境濃度上昇の原因として, 吹付けアスベストの除去, 除去後の解体, 並びに非除去解体の現場におけるアスベスト飛散をそれぞれ調べたが, 周囲に最も飛散し影響が懸念されたのは非除去解体であった。更に, 被災地の推定アスベスト蓄積量および飛散量から, プルーム・パフモデルを用いて, 環境庁モニタリングの各測定点におけるアスベスト濃度上昇の寄与を試算した。その結果, アスベスト濃度の試算値と実測値の間には弱い正の相関関係がみられ, 試算から実測値のオーダーをほぼ説明できることが示唆されたとともに, アスベスト飛散現場から周辺環境の濃度推定に役立つ情報が提供された。最後に, 非除去解体によるアスベストの飛散を避けるために, 法規制とともに除去費用の負担軽減措置などの必要性を示した。
著者
浅利 美鈴 丸川 純 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.412-425, 2011 (Released:2016-12-26)
参考文献数
14
被引用文献数
1

日本における使用済み小形電池の回収方法とその実態を把握し,回収・リサイクル検討に向けた基礎的知見を得ることを目的に,小形電池の回収率を推定した後,使用済み小形電池に関する自治体収集分類等に関する調査,消費者アンケート,小型家電製品からの小形電池取り外し実態調査を行った。その結果,日本における小形電池の回収率は26%と推定され,特に二次電池等は低く,欧州各国と比較しても,向上の余地があると考えられた。また,自治体における収集分類等は,自治体および電池間で統一されておらず,必要な情報発信も不十分と考えられた。小型家電製品からの小型電池取り外し実態に関する調査からは,特に二次電池を利用する小型家電製品について,ほとんど電池が取り外されずに捨てられていることが明らかとなった。これらの背景としては,アンケート調査より消費者の情報・認知不足や負担感が示唆され,検討を要する点が抽出された。
著者
土村 萌 浅利 美鈴 築地 淳 酒井 伸一 ホール ビッキー
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.29, 2018

大洋州島嶼国では、都市での人口増加やライフスタイルの変化によりごみの多様化・大量化が深刻な問題となっている。特にプラスチックごみは海洋に投棄されると、サンゴ礁やマングローブ、漁業、海洋生物などの自然環境に影響を与える可能性がある。そこで、本研究ではサモアの家庭を対象にプラスチック製容器包装の消費と廃棄に関するアンケート調査を行うことによって、サモアにおける家庭の不適正管理プラスチック製容器包装排出量を推定した。その結果、不適正管理排出量は年間約670トンと推定され、特に屋外使用やポイ捨てが比較的高い割合でされるPETボトルやお菓子の袋、レジ袋には注意が必要であるということが分かった。また、不適正管理プラスチックごみ排出量は、都市よりも農漁村のほうが一人当たり年間で約1.3 kg大きいことが分かり、ごみ回収が十分でない農漁村でのプラスチックごみ適正管理も重要であることが示唆された。
著者
滝上 英孝 酒井 伸一 新美 育文
出版者
一般社団法人日本リスク研究学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.77-80, 2013 (Released:2014-05-30)
参考文献数
8

Discussion was conducted at a national investigative commission on the Tone River system water pollution accident by formaldehyde occurred in May 2012. The objectives of the commission were establishment of preventive and restoration measures against this water pollution case based on the appropriate legislation development. Discussion results at the commission and the following countermeasures were summarized from the viewpoint of chemical and waste management in this paper. Briefly, aqueous monitoring for hexamethylenetetramine (HMT), a precursor of formaldehyde and information transfer of HMT-containing wastes during waste treatment processing have been strengthened.
著者
高月 紘 酒井 伸一 水谷 聡
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.351-359, 1995-09-30
被引用文献数
5 9

災害に起因する廃棄物として, 解体廃棄物の発生原単位と, 一般廃棄物の組成の変化について検討した。原単位は重量と容量べースで求め, 鉄筋コンクリート, 木造家屋ともに, 重量ベースでは従来の報告値と近かったが, 容量ベースではかなり大きな値となった。これは, 災害復旧時には分別が不十分にならざるを得ず, 混合状態での積載になり荷台の空隙率が大きくなったためと推察される。一般廃棄物の組成調査では, 発泡プラスチック, PETボトル, 使い捨てカセットボンベなどの増加が見られ, 水道やガスのような生活基盤の欠如に起因する生活廃棄物の変化が顕著であった。またカセットボンベの約半数はガス抜きの穴が開けられておらず, 穴あけの徹底が求められるが, 排出量の顕著な増加を考えると, 事業者などによる別ルートの回収経路の確立も望まれる。
著者
倉持 秀敏 崔 基仁 大迫 政浩 前田 光治 中村 一夫 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第18回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.175, 2007 (Released:2007-11-23)

トラップグリースのような低品質な廃油脂類をBDF原料として利用するには、既存のBDF製造ラインに投入する前に原料の脱水および遊離脂肪酸(FFA)の除去が必要である。そこで、本研究では、脱水方法として莫大な水の蒸発潜熱の投入を回避でき、かつ、後段の反応系への展開が容易な溶媒抽出法に着目し、溶媒抽出による脱水の可能性を検討するとともに、新規BDF製造法として抽出剤を含む抽出物をFFAの除去およびBDF製造プロセスに直接導入した場合を想定し、抽出剤がFFAの除去および油脂のBDF化に与える影響を調べた。
著者
森安 洋平 池松 達人 中村 一夫 平井 康宏 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.30-30, 2008

京都市での家庭ごみ有料化(平成18年10月)及びその他プラ分別収集開始(平成19年10月)に際し、それら施策実施下における市民の意識と行動の関係、その変遷を計5回のアンケート調査により記録、分析し以下の結果を得た。(1)有料化実施に際しての市民の意識と行動についての共分散構造モデル解析の結果、有料化によるごみ減量への経済的インセンティブや規範意識の向上がごみ減量行動を高めるとともに、ごみ減量行動の経験が更なるごみ減量行動を促す構造が明らかとなった。(2)有料化実施3ヶ月後と11ヶ月後の比較においては、ごみ減量努力の高まりが見られ、また、ごみ減量行動に対する経済的インセンティブの影響は弱くなり環境配慮意図の影響が強くなる変化が見られた。(3)その他プラ分別収集開始により市民が家庭ごみ中のプラごみの多さを実感し、その実感がプラ分別への意識を高めている可能性が考えられた。
著者
酒井 伸一
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.322-335, 1997-05-31
被引用文献数
6 4

残留性, 生物蓄積性, 揮散移動性, 毒性を有する残留性有機汚染物質 (Persistent Organic Pollutants) に対して, グローバルアクションが求められつつある。POPsのうち, 非意図的副生成物の代表例であるダイオキシン類について, その発生源や環境動態などの問題の所在を要約しつつ, 1997年1月に公表されたごみ処理対策に係る新ガイドラインの論点について述べた。今回の新ガイドラインの特徴は, (1) ダイオキシン類発生抑制のためには高度技術適用とすべきであること, (2) 連続炉への転換やRDF化施設などシステム対応の重要性が示されたこと, (3) 高度廃ガス処理とともに残渣対策によりダイオキシン類の環境蓄積回避に向けた社会コントロールユニットとしての機能が期待されていること, にある。とくに, 3点目は排ガスのみでなく, 処理残渣に含有されるダイオキシン類を含めたダイオキシン類排出総量をごみ1tonあたり5μgTEQ以下とすることが将来的な目標とされた。この目標は, ごみとしてはすでに50μg TEQ/ごみton程度のダイオキシン投入負荷を有しており, これをごみ処理施設において分解低減化できるようなシステムに変革することを意味する。ダイオキシン類の環境移動と産業社会の相互関係を意識したコントロール戦略としては, 個々の発生源対策である発生抑制とともに, リサイクル循環系との協調コントロール, および環境サイクルコントロールが重要である。
著者
矢野 順也 平井 康宏 酒井 伸一 出口 晋吾 中村 一夫 堀 寛明
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.38-51, 2011 (Released:2011-03-24)
参考文献数
41
被引用文献数
11 2 2

国内都市部の一例として京都市を対象に,都市ごみ中のバイオマスである厨芥類および紙類の賦存量を推定した。厨芥類の発生量は22.2万ton-wet/年,紙類は22.3万ton-wet/年であり,ほぼ全量が焼却処理されている。これらを対象に利用システムの温室効果ガス (GHG) 削減効果およびエネルギー回収率を評価した結果,「バイオガス化 (高温乾式メタン発酵)+ガスエンジン発電 (GE)」は既存の「直接燃焼+蒸気発電」,「直接燃焼+堆肥化」よりも有利であった。また,バイオガス発電時の廃熱を利用する超高温可溶化技術を組み込んだ可溶化システムでは,現状の乾式方式に対してエネルギー回収率およびGHG削減効果で27%の向上が見込まれた。さらに,バイオガスの燃料電池利用により,GE利用の最大1.7倍まで効果向上が期待された。国内温室効果ガスの削減に向けて都市ごみ中バイオマスの高度なエネルギー変換技術の普及が望まれる。