著者
宮本 太郎 山口 二郎 空井 護 佐藤 雅代 坪郷 實 安井 宏樹 遠藤 乾 水島 治郎 吉田 徹 田中 拓道 倉田 聡
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究は大きく三つの領域において成果をあげた。第一に、日本の政治経済体制、とくに日本型の福祉・雇用レジームの特質を、比較政治経済学の視点から明らかにした。第二に、レジームを転換していくためのオプションを検討し、各種のシンクタンクや政府の委員会などで政策提言もおこなった。第三に、世論調査でこうしたオプション群への人々の選好のあり方を明らかにし、新しい政党間対立軸の可能性を示した。
著者
倉田 聡
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001 (Released:2001-04-01)

今年度は、まず社会保障制度における「社会連帯」の規範的意義を解明する作業を開始した。従来、社会保障制度において「社会連帯」が存在し、もしくは歴史的にも「社会連帯」を背景としてきたといわれる制度に「社会保険」がある。わが国の場合、「社会連帯」に最も親和的な制度は、健康保険法に規定された健康保険組合であり、その健康保険組合が抱える最大の問題が老人保健法に基づく老人保健拠出金制度である。昭和50年代半ばに誕生した老人保健制度は、昭和48年に成立した老人医療費無償化施策により財政困難に陥った市町村国保を被用者保険の保険者が財政的に支援する仕組みとして誕生した。通常、このような組織は、社会保険の保険者相互の助け合いシステムとして構想されるが、わが国の場合は諸般の事情からそのようなシステムとしては理解されにくいものとなってしまった。しかし、現在の医療制度改革論における老人保健拠出金制度の重みを考えるならば、やはり財政調整制度としての本質論すなわち助け合いという精神に立ち戻った検討が必要である。以上の点は、後掲の「老人保健拠出金制度の問題点と健康保険事業の可能性」論文において詳細に論じ、その趣旨および結論は厚生労働省の政策担当者からも非常に高い評価を得ている。そして、今年度は、この検討を受けて、さらに「社会連帯」論を社会福祉の領域にも拡張すべく、考察を深め、後掲の「社会連帯の在処(ありか)とその規範的意義」論文において、その総まとめを行った。すなわち社会福祉事業においても社会保険事業およびその財政調整制度としての老人保健事業と同様に、関係当事者間の相互扶助という側面が存在し、その相互扶助としての性格からくるさまざまな規範が重要であるとの結論に達した。最後に、今年度は、フィールドワーク的な研究として、前年度より引き続いて社会福祉法人「黎明会」での調査を行った。「黎明会」の設置する保育所について、利用家庭88に対し、アンケート調査を行い、55家庭より有効回答を得た。これらの調査結果は、近く発表する論文において十二分に活用する予定である。
著者
倉田 聡
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.271-322, 1990-02-01