著者
谷口 行信 南 憲一 佐藤 隆 桑野 秀豪 児島 治彦 外村 佳伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1112-1121, 2001-06-01
被引用文献数
28

映像の効率的なブラウジングのためには, 映像にインデックスを付与する作業が必要である.本論文は5種類の映像解析技術-ショット切換検出, カメラワーク検出, テロップ検出, 音楽検出, 音声(人の声)検出-を統合した映像インデクシングシステムSceneCabinetについて述べる.映像解析技術に基づく自動インデクシングアプローチは従来から提案されているが, 自動付与できるインデックスは限られる上, その精度は100%でない.このような映像解析の不完全性を補うために, 本システムは自動付与されたインデックスを効率的に修正したり, 関連情報を人手で簡単に付与するためのユーザインタフェースを提供する.具体的には, タイムラインと代表画像一覧を組み合わせることで, 効率的にインデックスの修正や付与ができるようにする.本システムを用いると, 手作業の場合に比べて約半分の作業時間でインデックス付与できることを評価実験により示す.更に, 映像ストリーミング技術を統合したWebページ作成ツールについて述べ, その応用事例を挙げることで本システムの有効性を示す.
著者
児島 治彦 戸井田 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.863-869, 1987-08-15
被引用文献数
9

本論文では 筆記制限がなく 拡張性に優れたオンライン手書き図形認識法について述べる.自由に手書きされた幾何学図形を対象とし ストローク入力と並行して認識を行うオンライン手書き図形認識法として 隣接する線分の構造に着目して認識を行う「隣接線分構造解析法」を提案する.本手法は ストロークが入力されるごとに処理を実行する.入力されたストロークと隣接するストロークとの関係をもとにセグメントを抽出し 認識を行う.拡張性を考慮し 図形作成に基本的に必要な基本図形単位と 基本図形の組み合わせからなる複合図形単位の2段階で 図面固有の知識を用いずに認識を行う.基本図形の識別には 基本図形を構成する頂点の数と連続する頂点間の線分の種別を用いる.複合図形の識別には 複合図形を構成する基本図形の種類と基本図形間の相対的位置関係を用いる.筆記制限なしに収集したデータを対象として認識実験を行った結果 基本図形4 111パタンについては988%の認識率 複合図形の例としてあげたフローチャートおよびHCP チャートについては 40枚の図面に含まれる390の複合図形に対して97.7%の認識率を得て 自由に手書きされた幾何学図形に対する本手法の有効性を確認した.