著者
端 和夫 児玉 南海雄 福内 靖男 田中 隆一 齋藤 勇 吉峰 俊樹 小林 祥泰 永廣 信治 佐渡島 省三 峰松 一夫 山口 武典 篠原 幸人
出版者
The Japan Stroke Society
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-11, 2010-01-25
被引用文献数
4 7

我が国における脳梗塞rt-PA静注療法の保険適用承認には,承認への要望の段階から日本脳卒中学会の医療向上委員会が緊密に関与してきた.適正使用講習会を実施することを前提として承認された後も,欧米諸国にも前例のない全国的な都道府県レベルでの適正使用講習会を実施し,rt-PA静注療法の実施担当者等を指導してきた.承認後3年間で講習会は189回,受講者は1万人を超え,結果として,約1万5千例の使用例のうち,非適応例への使用頻度は6% 程度に抑えられている.承認と講習会開催の過程と,3年を経過した時点での普及の現状を記載した.