著者
端 和夫
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.9, pp.592-595, 2001
参考文献数
8
被引用文献数
3 2

UCAS JAPANについて研究プランとバックグラウンドを紹介し, その必要性と妥当性を考察した.UCAS JAPANはすべての未破裂脳動脈瘤の登録事業で, 大規模な前向きコホート研究といえる.この研究は, 未破裂脳動脈瘤の破裂率, 治療結果に関して, 個々の患者の治療方針の決定に役立つ知見を欠く現在, 必要かつ最適の研究である.構築される大きなデータバンクは, 未破裂脳動脈瘤の多様な属性に対応した多くの未知の臨床病態を明らかにすることが期待される.
著者
斉藤 嘉津彦 清水 瓊子 岡崎 正子 伊林 至洋 端 和夫 前野 康次郎 石井 清二 土橋 和文 島本 和明 戸田 貴大 黒澤 菜穂子 大和田 栄治 加藤 芳伸 大山 徹 梅津 有理 千田 道洋 有吉 範高 鎌滝 哲也 板谷 幸一
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.228-234, 2001-06-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

In recent years, genome science has undergone radical changes and numerous advances have led to the development of its use in medical practice. In particular developments in pharmacogenetics have demonstrated that genetic polymorphism is responsible for inter-individual differences in the drug metabolism. This study was conducted to identify the genetic polymorphisms of CYP 2C 9 and CYP 2 C19 using PCR-RFLP, and the application of a gene analysis was investigated in TDM or pharmaceutical management and in counseling services for patients. In a patient with the following pharmacokinetic parameters for phenytoin, for Km=6.69 μg/mL and Vmax = 3.62 mg/day/kg, and a largely decreased metabolic activity of CYP 2 C9 compared to the general population, the genetic differences in CYP 2 C9 could be determined in genomic DNA based on the patient's peripheral blood. Based on this finding, the effective dose for medication was calculated and administered to the patient. In addition, during medical consultations, both written and oral information in an easily comprehensible form could be given to patients with genetic polymorphism. These procedures allow a for the careful matching of the patient to the right medication and dose. This study indicates the possible application of a genetic analysis of CYP to “Evidence-Based Medicine” in the field of pharmaceutical management in order to control the dosage in individuals and to improve patient counseling.
著者
端 和夫
出版者
The Japan Stroke Society
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.786-788, 2008-09-25
参考文献数
17
被引用文献数
1 2
著者
端 和夫 児玉 南海雄 福内 靖男 田中 隆一 齋藤 勇 吉峰 俊樹 小林 祥泰 永廣 信治 佐渡島 省三 峰松 一夫 山口 武典 篠原 幸人
出版者
The Japan Stroke Society
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-11, 2010-01-25
被引用文献数
4 7

我が国における脳梗塞rt-PA静注療法の保険適用承認には,承認への要望の段階から日本脳卒中学会の医療向上委員会が緊密に関与してきた.適正使用講習会を実施することを前提として承認された後も,欧米諸国にも前例のない全国的な都道府県レベルでの適正使用講習会を実施し,rt-PA静注療法の実施担当者等を指導してきた.承認後3年間で講習会は189回,受講者は1万人を超え,結果として,約1万5千例の使用例のうち,非適応例への使用頻度は6% 程度に抑えられている.承認と講習会開催の過程と,3年を経過した時点での普及の現状を記載した.
著者
中川 俊男 端 和夫
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.341-350, 1995-07-20
被引用文献数
11

1988年3目から開始した脳ドック600例中,36例(6.0%)に37個の無症候性未破裂脳動脈瘤が発見された.初期の370例に施行したIA-DSAと最近の230例に施行したMRAにおける発見率の差はなかった.発見された動脈瘤は,94%が10mm以下で破裂例に比べ前交通動脈瘤が少なく,内頸動脈瘤,特にC2-3,C3部瘤が多いことが判明し,前者に比較し後者が破裂しにくい可能性が示唆された.また,2親等以内にくも膜下出血の家族歴をもつ人では,15.5%という高率(p<0.01)に未破裂脳動脈瘤が発見された.37個のうら33個が手術適応があるとしたが,インフォームド・コンセントの結果,26例26個の動脈瘤に対して根治手術(neck clipping)を施行した.手術死亡率0%,手術罹病率は嗅覚減退の1例(3.8%)のみであった.今後,手術適応のない症例の取扱いなど問題点を克服していくことができれば,有効なくも膜下出血の予防をすることができると思われた.