著者
李 春暁 柳沼 良知 全 炳東 坂内 正夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.67-68, 1994-03-07

近年、移動カメラで連続的に撮影した画像から走行環境情報を獲得する研究は進んでいる。山本さんらは3次元時空間画像から検出した直線によって目標物体の3次元情報を獲得している。さらに、安野さんらはカメラの運動自由度を拡張するため、同心球時空間球画像から検出された曲線によって3次元情報を獲得するのを提案している。これらの方法では3次元時空間画像から直線あるいは曲線を検出しなければならない。それはかなり時間がかかる。Zhengさんらは移動カメラで撮影した各枚の画像にスリットを利用して一枚の平面画像に変換するのを提案した。さらにこの平面画像に3次元情報や時間情報を含んでいるのを証明した。本報告ではこの平面画像を平面時空間画像(PSI)と呼ぶ。目標物体として我々の生活の中に人工的なものは多く存在している。これらの物体は直線などの特定なエッジを多く持っている。これらのエッジ部分の3次元情報が獲得できたらこの目標物体が決められる。そこで、直線のエッジに対して我々は双曲線スリットによって平面時空間画像の生成と3次元情報の獲得を行なった。本手法は平面時空間画像から検出した目標物体のエッジの軌跡によって目標物体の3次元情報を獲得する。そのため、目標物体の3次元情報を持つエッジ部分をより認識しやすい形に変換するのは非常に重要である。目標物体のエッジの本来の形状、スリットの選択、カメラの運動など要素は平面時空間画像中の目標物体の形状に影響を与える。本報告では平面時空間画像の生成について一般的に論じる。さらに具体的な例をあげる。
著者
納富 幹人 小澤 史朗 全 炳東
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.872-879, 1998-05-25
参考文献数
12
被引用文献数
25

多様かつ広域にわたる実世界空間から情報を獲得するためには, 移動体観測による柔軟な観測機構が必須である.我々は, 車両・航空機などの移動体からの観測によって, 広域実世界情報を獲得する技術の開発を目指している.ここではその一環として, 車両からの画像観測による都市空間構築に関して報告する.都市空間モデルは, 都市工学, 交通工学, 教育, アミューズメントなどの広い分野で活用され得る重要な情報基盤であるが, その獲得にはばく大なコストが必要であり, 手入力に依存する部分が多く, 用途や対象物を限定せざるを得ないのが現状である.この研究では, 道路を走行する車両からの動画像解析による, 都市景観のモデル化手法を提案する.この手法は動きステレオによる奥行計測を基本とする.建築物などの対象物体は, 観測経路である道路からの奥行と表面模様(テクスチャ)によって表現され, 帯状の距離画像として構造化される.合成されたアニメーション画像に対する実験では, 奥行の誤差は4.4%から8.13%であった.また走行車両から得た実画像に対する実験も行い, この手法に対する評価を行った.
著者
渡辺 和宏 全 炳東 橋本 明将
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.27-32, 2008-01-17

屋外で撮影した建物の情報を景観画像に重畳表示するアノテーションシステムの性能を改善した,GPS,ジャイロ,電子コンパスから得られた観測者の初期位置をカメラから得られた画像特徴量を用いて補正することでアノテーションの際に違和感を与える原因となる幾何学的ずれを解消する.本論文では高精度化と高速化を実現するための手法を物理センサ,ビジョンセンサの両面からそれぞれ提案する.また,従来手法では正確な位置姿勢が一意に推定できなかった特徴に乏しい地点に対する対応についても述べる.