著者
張 文利 柳沼 良知 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.707, pp.69-74, 2000-03-16

TVドラマや映画はシナリオ文書によって制作されている。シナリオ文書よりロケ場所、人物名及び個々の台詞の抽出が簡単のため、検索などの操作はシナリオ文書を基づいて行うことができる。しかしながら、シナリオ文書に対応するの映像部分を見つけ出すようなより複雑な検索は難しい場合もある。なぜなら、映像に付随したり関連したりする音声や文書といった複数のメディアが最初から対応付けているわけではないためである。このため、DPマッチング法を用いた複数メディアの対応付けに基づいたドラマ映像記述システムを開発している。この手法により、複数のメディアの認識を協調し互いに助け合うことで、より高次な構造化・データベース化が実現できる。ここでは、このドラマ映像記述システムの紹介に併せてシステムの評価を述べる。
著者
柳沼 良知 鈴木 一史 児玉 晴男
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.91-98, 2010

カリフォルニア州では、公立学校での教科書配布に必要な、印刷や製本にかかる多額の費用を削減するため、教科書の電子化とオープンソース化の検討を行っている。また、日本国内でも、「すべての小中学生がデジタル教科書を持つ」という環境の実現を目指す民間主導のコンソーシアムが発足した。このような教科書の電子化は、電子化の方向性から、「書籍の電子化」と「アプリケーションの書籍化」に大別することができる。このため、本稿では、まず、これまでの教科書の電子化の試みを「書籍の電子化」と「アプリケーションの書籍化」に分類し、それぞれの動向について述べる。次に、教科書や映像、それらの検索機能などを組み合わせたプロトタイプシステムの開発について述べ、「書籍の電子化」と「アプリケーションの書籍化」の観点から議論する。
著者
柳沼 良知 和泉 直樹 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

ドラマ映像においては、映像そのものだけではなく、それに付随したり、関連したりする音声やシナリオ文書といった複数のメディアが存在し、これらは、比較的容易に利用できることが多い。このため、これら複数のメディアの認識を協調し、互いに助け合うことで、映像という単独のメディアを用いただけでは困難な、より高次なレベルの映像の編集、加工を実現できる可能性がある。本稿では、より高次なレベルの映像編集方式の一例として、特に、ドラマ映像にともなう台本やシナリオ文書といった文書情報のもつ、抽象度の高く、意味的内容を反映した記述に着目し、それらを編集する事による映像の編集方式について議論する。
著者
三輪 眞木子 仁科 エミ 黒須 正明 高橋 秀明 柳沼 良知 廣瀬 洋子 秋光 淳生 Makiko Miwa Emi Nishina Masaaki Kurosu Hideaki Takahashi Yoshitomo Yaginuma Yoko Hirose Toshio Akimitsu
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of The Open University of Japan (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
no.32, pp.101-111, 2014

本研究は、面接授業「初歩からのパソコン」の受講で習得した放送大学生のデジタル・リテラシー・スキル(以下「DLスキル」)の定着状況把握を目的に実施した。この授業を2010年度2学期から2013年度1学期の間に受講した在学生に2013年11月に郵送アンケートを実施した。調査結果は、DLスキルの種類により、定着したもの、低下したもの、向上したものがあること、DLスキルの定着には、受講生の年齢、受講生のパソコン・インターネットの利用頻度が影響を及ぼしていること、DLスキルの向上とパソコン・インターネット利用頻度の間に相関があること、DLスキルの定着には、受講生のその後の学習方法が影響を及ぼしていることを示した。受講直後から本調査の期間に低下したDLスキルについて、授業後のスキル活用の機会を増加させる必要性が示唆された。また、定着効果のあるテレビ授業「遠隔学習のためのパソコン活用」の受講と同好会等への参加を促す必要性が示唆された。
著者
李 春暁 柳沼 良知 全 炳東 坂内 正夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.67-68, 1994-03-07

近年、移動カメラで連続的に撮影した画像から走行環境情報を獲得する研究は進んでいる。山本さんらは3次元時空間画像から検出した直線によって目標物体の3次元情報を獲得している。さらに、安野さんらはカメラの運動自由度を拡張するため、同心球時空間球画像から検出された曲線によって3次元情報を獲得するのを提案している。これらの方法では3次元時空間画像から直線あるいは曲線を検出しなければならない。それはかなり時間がかかる。Zhengさんらは移動カメラで撮影した各枚の画像にスリットを利用して一枚の平面画像に変換するのを提案した。さらにこの平面画像に3次元情報や時間情報を含んでいるのを証明した。本報告ではこの平面画像を平面時空間画像(PSI)と呼ぶ。目標物体として我々の生活の中に人工的なものは多く存在している。これらの物体は直線などの特定なエッジを多く持っている。これらのエッジ部分の3次元情報が獲得できたらこの目標物体が決められる。そこで、直線のエッジに対して我々は双曲線スリットによって平面時空間画像の生成と3次元情報の獲得を行なった。本手法は平面時空間画像から検出した目標物体のエッジの軌跡によって目標物体の3次元情報を獲得する。そのため、目標物体の3次元情報を持つエッジ部分をより認識しやすい形に変換するのは非常に重要である。目標物体のエッジの本来の形状、スリットの選択、カメラの運動など要素は平面時空間画像中の目標物体の形状に影響を与える。本報告では平面時空間画像の生成について一般的に論じる。さらに具体的な例をあげる。
著者
柳沼 良知 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.747-755, 1996-05-25
被引用文献数
42

動画像という一つのメディアを用いただけでは, その自動認識, キーワード抽出や構造化には限界があるのが現状である. 一方, ドラマ映像には映像だけではなくそれに付随する音声やシナリオ文書といった複数のメディアが存在する. そして, これらは比較的容易に利用できることが多い. このため, これら複数のメディアの認識を協調し助け合うことで, ドラマ映像のより高次な構造化・データベース化を行える可能性がある. 本論文ではドラマ映像を対象とし, 映像, 音声, シナリオ文書のDPマッチングを用いた対応付け手法の提案を行う. また, その結果を用いたドラマ映像の意味的な分解, 特定人物の検索といったドラマ映像のデータベース化手法の提案を行う. 更に, 本手法の有効性を示すため実際に複数のドラマ映像を用いて行った実験および評価について議論し, 本手法がドラマ映像の構造化, データベース化に十分有効であることを示す.
著者
古川 雅子 柳沼 良知 山田 恒夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.161-164, 2005
被引用文献数
2

本研究では, 学習者特性に応じた映像教材の効果的な提示方法を明らかにするため, 学習者にマルチアングル映像を呈示した場合の「気づき」の内容や再生箇所や注視箇所が, 社会文化的背景など学習者特性によって差異があるかどうかを検討した.マルチアングル映像に対応した観察ツールの開発を行うとともに, 面接映像を観察者21名に視聴させ評価実験を行なった.その結果, 日本人学生は映像の非言語情報に着目しがちであるなど, 観察者の属性によって映像の観察傾向が異なることが明らかになった.
著者
児玉 晴男 鈴木 一史 柳沼 良知
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:13440896)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.95-105, 2012-03

放送アーカイブの構築は,「e-Japan戦略II」で取り上げられた重要な施策である。この放送アーカイブは,放送事業者により著作・制作された放送番組が対象となっている。ここで,放送番組のコンテンツの構造は,テキストと映像(動画,静止画)からなっている。そのテキストと映像とがメディア融合されアーカイブされたコンテンツは,インターネット配信される対象としてのウェブキャストコンテンツを指向するものになろう。ところが,その取組みは,十分に履行されている状況にあるとはいえない。その要因に,著作権とプライバシーとの相関問題がある。もうひとつの課題として,倫理的な問題がある。本稿は,コンテンツのインターネット配信に関する法的・倫理的な課題への対応について,著作権法制と情報法制および放送倫理と出版倫理などを統合する観点から考察する。その考察から,わが国の社会制度に適合したコンテンツのインターネット配信に関する社会情報システムは,コンテンツ管理と権利管理が相互に連携し,権利管理を財産権の保護と制限および人格権とコンテンツの同一性の保持とを連携させることによって,効率的で合理的に機能するものとなることを導出する。そして,コンテンツのインターネット配信を促進するための,コンテンツ管理と権利管理とが相互に連携するコンテンツの著作・制作・保存の仕組みの開発事例について紹介する。
著者
柳沼 良知 和泉 直樹 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.547-558, 1996-04-25
被引用文献数
27

本論文では, ドラマの映像情報とそれに対応する文書情報であるシナリオとを結合することによって映像編集を行う方式を提案する. すなわち, 意味的内容を反映したシナリオ文書を従来のテキストエディタにより編集し, あらかじめ行っておいた映像, 音声, シナリオ文書間の時間的対応付け(同期)結果を用いて, 編集されたシナリオ文書に対応する映像, 音声の部分を選び出し, 並べ直すことで, 映像, 音声の編集を行う. これにより, 映像情報に比べて抽象度が高くデータ量の少ないテキスト情報を用いて映像の編集ができると共に, シナリオ文書に記述されている意味的内容に従って, より高次な映像の編集ができるという利点が得られる. 本論文では, 更に, 複数のドラマ映像を用いて行った実験および評価について議論し, 本手法がドラマ映像の編集, 加工に有効であることを示す.