- 著者
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八幡 紋子
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- ファルマシア (ISSN:00148601)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.6, pp.582, 2015
「カロリーゼロ」「ノンシュガー」.これらは今日の生活で多く見掛ける言葉である.消費者の健康指向の高まりを背景に,様々な食品や飲料に低カロリー甘味料が選ばれている.なかでも人工甘味料は砂糖に比べ甘味度が数百倍高く,カロリーを抑えて使用できることから,今後も使用量が増加すると予測されている.一方で人工甘味料を含む飲料の摂取と,高血圧,高血糖,高トリグリセリドといったメタボリックシンドロームを示すパラメータとの高い相関が報告されている.本稿では,人工甘味料によって腸内細菌叢に変動が起こり,正常な血糖コントロールができない耐糖能異常が現われるという論文を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Lutsey P. L. <i>et al</i>., <i>Circulation</i>, 117, 754-761 (2008).<br>2) Suez J. <i>et al</i>., <i>Nature</i>, 514, 181-186 (2014).<br>3) Soldavoni J. <i>et al</i>., <i>Dig. Dis. Sci</i>., 58, 2756-2766 (2013).<br>4) Schwiertz A. <i>et al</i>., <i>Obesity</i>, 18, 190-195 (2010).