- 著者
 
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             高村 博之
             
             永井 昇
             
             長谷部 健
             
             浦出 雅昭
             
             今井 美和
             
             八木 雅夫
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 一般社団法人日本消化器外科学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.35, no.6, pp.668-672, 2002-06-01 
 
          
          
          
          - 被引用文献数
 
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             12
             
             
             
          
        
 
        
        
        今回,我々は消化管出血を契機に狭義のgastrointestinal stromal tumor(GIST)の多発が診断されたvon Recklinghausen病の1例を経験したので報告した.症例は46歳の男性.腹痛を伴う下血を主訴に近医より当科転院となり,精査の結果,空腸と回腸に多発するhypervascular tumorの存在が確認されたため開腹手術を行った.空腸と回腸に亜鈴状の粘膜下腫瘍の多発を認めたため小腸部分切除術を施行し,同腫瘍からの出血であることが確認された.この他にも小腸に小さな粘膜下腫瘍が多発していたため,これらを可及的に局所切除した.切除標本の病理検査より,小腸の腫瘍は大小を問わずすべてKIT receptor陽性,vimentin陽性,CD34陽性,actin陰性,desmin陰性,S-100陰性,NSE陰性で狭義のGISTのみであり,比較的サイズの大きいもののみlow grade malignancyと診断された.