著者
内田 充美 山内 真理 小島 篤博
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

大学英語教育が取り組むべき課題のうち習熟度の低い学習者に対象を絞り,整った英語の文章を書くことができるようになるために何が問題となっているのかを明らかにすることを主たる研究目的とした.そのために,まず,中間言語資料(大学生の書いた英文)を継続的に収集し,自前の学習者コーパスとして利用できる手順を確立した.作成した資料の分析から,日本語の文法に引きずられたと考えられる誤用(母語の干渉)を幅広い範囲で確認した.これらの特徴はいずれも対照言語学的に見ても意味深いものであり,英語と日本語のように言語間距離が大きい場合においては特に,言語学の知見に基づいた指導が有効であることを示しているといえる.
著者
谷 明信 今井 光規 西村 秀夫 家入 葉子 尾崎 久男 澤田 真由美 柳 朋宏 内田 充美 矢橋 知枝
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

従来の英語史の研究では、15 世紀に成立し始めた標準英語を中心に研究がすすめられることが多く、通時的な変異と地域的な変異の関係などについては十分に検討がなされてきたとは言い難い。しかしながら、最近では、標準英語を中心とした英語史のみならず、地域的な変異すなわち英語の方言での歴史的研究を含めた、多くの人々の声の言語の歴史を検討する研究の必要性が叫ばれつつある。本研究は、コーパスを利用することにより、通時的な変異のみならず、地域的な変異をも検討することで、通時的変異と地域的変異の関係に従来以上に焦点をあてることが、英語史のより良い理解に貢献しうることを照明した。