著者
小田 良子 加藤 恵子 原田 隆 内田 初代 猪飼 弘子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.345, 2007

[目的] 本研究は,現在の高齢者の日常生活に関する実態および意識(基本的属性・栄養・運動・休養・余暇活動)について調査し,生きがいを持って健康生活を送る方法を見出すための基礎資料とすることを目的とした.本報では,身体状況と健康意識の関連について検討した。[方法] あいち高齢者大学受講生を対象に生活習慣に関するアンケート調査を2006年9~12月に実施した.分析対象者は618名,平均年齢68.9歳(男性283名,女性335名)であった。[結果] 分析対象者の体格はH16年国民栄養調査と比較すると,身長には差がなかったものの,体重,BMIについては全国レベルより低く,有意な差が見られた。このことからBMIは標準域にあるものの全国レベルよりも細身であった。また,メタボリックシンドロームの1つの尺度であるウエスト周囲径の平均は,男性84.4cm,女性83.9cmであった。服薬有の割合は,男性63.6%,女性57.0%であり,服薬の種類についてみると,男性は血圧降下薬40.2%,コレステロール降下薬15.1%,女性は血圧降下薬37.9%,コレステロール降下薬28.1%であり,服薬の種類には男女の違いが有意に明らかになった。さらに,ウエスト周囲径および服薬の内容から,メタボリックシンドロームおよび予備群の割合をみると男性はメタボリックシンドロームが4.6%,予備群20.8%,女性では前者が3.0%,後者が11.0%であった。国民栄養調査と比較すると,かなり少ない結果であった。また健康(運動・栄養・休養)に関する意識では男性,女性では若干違いはみられたものの良好な結果であった。
著者
内田 初代 小田 良子 瀬木 晶子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.328, 2008

高齢者の介護食についての一考察 ○内田 初代 小田 良子 瀬木 晶子 1)(名古屋文理大短大部)<B>目的</B>食事は安全・栄養・嗜好という3条件を満たすことが必要となる。特に介護食では、衛生面での安全のみならず、高齢者が飲み込みにくい食物、問題となる食物を知る事が重要な課題と考えた。そこでこの調査は「飲み込みやすいと言われる食物名」「飲み込みにくいとされる食物名」をリストアップしアンケート調査を行った。<BR><B>方法</B>A施設及び在宅高齢者についてアンケート調査を行った。調査項目は、これまでの報告されている先行研究を参考にして実施した。調査時期:2007年7月 調査対象:A施設36名:在宅8名<BR><B>結果</B>問い1の飲み込みにくい食べ物の上位3位以内に挙げたのは次の通りである。A施設では、雑煮の・焼き芋・ゆで卵であった。在宅では、調査対象者が8名と少ないため同率1位の酢の物・カステラ・ゆで卵を同率1位とした。調査時期は7月であったが、A施設では1位に雑煮の餅を挙げていた。問い2の飲み込みにくいものとして、A施設はれんこん・固いものと記入し、歯がないため歯ぐきでつぶせないものは口腔内にため込んでしまう利用者もいた。在宅では、椎茸・胡瓜等を記入し同様に歯が無くなってから食べ物に注意が必要となったと答えた。問い3では、65~75歳位で食べ物が飲み込みにくくなった頃と答えた。高齢者の身体状況の口腔状態を把握し、それぞれの食物について飲み込みにくい要因をつかみ個々の摂食レベルに適した食事ケアを行うことが大切であると分かった。
著者
小倉 れい 加藤 治美 内田 初代 野沢 洋子 小田 良子
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.55-64, 1988-04-01

冷食供食では,冷や奴は,保冷性の点からはかけ水の効果が認められず,冷や麦は,かけ水75%,100%が5%危険率で有意に好まれた.冷スープの水量に対する浮身重量の比率は5%,O%,10%の順に好まれた.混食供食では,かき玉汁は,出来上がり20分経過で13℃,60分経過で20℃の差で卵添加O%より20%を加えた方が保温性が高かった.したがって,料理を作ってから喫食までの所要時間が長い施設では,卵の比率を20%にすることにより40分保温時間を延長させることが可能であると認めた.うどんに対するかけ汁の比率は,20分経過で8℃,60分経過は7℃の差でかけ汁O%よりかけ汁100%が高く,100%と150%では5℃の差で保温の差を認めた.更にうどんの重量に対して100%のあんをかけることにより,20分経過で9℃,60分経過では15℃高い保湿性を認めた.卵豆腐のあんかけは,おいしいと感じる適温範囲(60〜65℃)で供するにはあんかけO%が8分までであるが,100%のあんをかけることにより10分延長可能であり,味覚テストも危険率5%で有意に好まれた.空也蒸しは,20分経過で豆腐が卵液の10%より40%が11℃の差で,60分経過では,豆腐が卵液の10%より50%が8℃の差で保湿性が高く,適温範囲が15分延長可能となり料理が出来て喫食までの所要時間30分以上の施設では50%,30分以内では30%が良好であると考察できる.ハンバーグは,ハンバーグ重量の150%のソースをかけることにより40分,ミートボールは揚げ衣の比率により40分,じゃが芋は20分延長させて適温供食の一助となくることを認めた.
著者
内田 初代 小田 良子 小倉 れい
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.43-48, 1992-04-01

湯豆腐にかける各種調理素材の色調が,湯豆腐の温度感覚に如何に影響するかを調べ,適温供食の基礎資料とする為次の調査を行った.湯豆腐に各種調理素材5種をかけた時のかけあんの色調を測色計で明度(L)色相(a・b)を測定し,彩度√<a^2+b^2>,色差△E√<a^2+b^2+l^2>を求め,視覚による温度感覚及び官能テストによる温度感覚との関係を調べた.その結果は,1 基本である豆腐は明度L値が83.6,a・b値,彩度共低く色差は83.7と高い数値を示した.各因子では,L値の高いものに2・5因子,色差では2>5>1>3>4の順に低くなった.2 視覚による温度感覚は,1・2年生共5因子が高く次いで4>3>2>1因子の順に低くなり同じ様な傾向を示した.3 官能テストによる温度感覚は,1>3>5>2>4因子の順に好まれ,視覚温度感覚では明るい色の順であったが,官能テストでは濃度のある調理素材の因子順に好まれる傾向であった.
著者
内田 初代
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.93-95, 1999-03-31

調理操作の中で一般的には, 最も初歩的な段階である「材料を切る」という事について実態調査を実施した.料理の出発点とも考えられる「切り方」については, より意識的な包丁の使い方を考えて見る事が必要である.食べ物をおいしく食べるための切り方が, 実験的に研究されてきている事からみても, 調理と切砕との関係の重要さが分かる.今回は, なます大根にする際の切り方の違いによる影響と, キャベツの千切りの浸水時間の違いによる影響について実態調査を実施した.なます大根では4種類の切り方の内, なます切りが好まれた.キャベツの浸水時間別では, 水でサッと洗ったものと30分浸水したものでは差が殆ど見られなかった.