著者
内田 英子 四倉 達夫 森島 繁生 山田 寛 大谷 淳 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.722, pp.1-6, 2000-03-21
被引用文献数
9

顔面表情に焦点をあて、意図的なコントロールを受けたものと、なんらかの情動喚起に伴い自発的に現れるものとの違い、特に動的な変化の違いを実験的に検討した。被験者の顔面表情の変化を次の2条件下で高速度カメラにより撮影した。1つが意図的表出(動作教示)条件、もう一つが自発的表出条件である。意図的表出条件では、顔面動作教示に従って被験者に6つの基本表情を演じさせた。一方、自発的表出条件では、情動喚起映像(喜び、驚き、怒り、悲しみ、嫌悪、恐れ)を提示し、被験者に自然な表情を自発させた。高速度カメラで撮影した顔面表情の動的変化(特徴点の変位)を、画像解析ツールを用いて測定した。
著者
山田 寛 内田 英子 四倉 達夫 森島 繁生 鉄谷 信二 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.712, pp.27-34, 2001-03-14
被引用文献数
5

本研究では、人間が自然な表情を自発した時と普遍的で典型的と言われている表情を演じる時の顔の動きを高速度カメラで撮影し、顔の特徴点の変位の測定に基づいて顔の動きの定量的な特性を分析した。自然な表情は、Gross & Levens (1995)が標準化した情動喚起刺激を被験者に提示することによって自発させた。典型的な表情の演技は、FACSの定義に基づいた。自発表出条件、演技表出条件ともに顔の各部位の動き出しの差は微細であり高速度カメラを用いたことの有効性が示された。また情動ごとおよび表出条件ごとに顔の各部の動きの量や速さに特徴的な違いが認められたが、動きの変化そのものの様相には興味深い共通性が認められた。