著者
冨田 美香
出版者
立命館大学
雑誌
アート・リサーチ (ISSN:13462601)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.105-117, 2005-03
被引用文献数
1
著者
冨田 美香
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、芸術・メディア・産業としての性格を持つ映画文化が20世紀の日本社会の形成にいかに作用したかという問題を明らかにすることを目的とし、その具体的な様相を日本のハリウッドと称される京都洛西地域社会の形成と日本映画史との関係に絞り、検証したものである。平成14年度は、京都洛西地域社会形成の過程と、そこから産み出された独自の映画文化との関係性を、京都を舞台に京都で作られた映画作品の中で現存する最古の作品『祇園小唄 絵日傘第一話 舞ひの袖』の分析から考察し、映画産業と京都社会との相互関係とともに、「京都」都市イメージが映画内的/外的作用によっていかに形成されていったかを実証的に研究した。そこで明らかになった点は、パノラマなどシネマトグラフ前史に遡る映画の始原的な視覚性が利用され、擬似観光体験から真の観光体験へと観客の経験の変容を促す都市への集客効果とともに、近代化された東京が失った鑑賞都市としての江戸の姿を、古都・京都の表象するメディアとして、映画が積極的に用いられていた、という点である。なお、これらの調査結果を資料画像も含めてデジタル化し,インターネット上で研究成果として公開する点についても、以下のURLで試行中である。URL:http://www.arc.ritsumei.ac.jp/cinema/index.html
著者
中本 大 赤間 亮 赤間 亮 冨田 美香
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、立命館大学アート・リサーチセンターに寄贈された近世絵入版本を中心とする作品の基礎的研究を行い、展覧会の開催、ならびにその目録化を推進した。研究協力者を含めた研究会活動により、カタロギングのための情報収集と情報の共有化に研究の重点がおかれ、その成果として詳細な書誌目録としての報告書を世に送り出すこととなった。とくに絵入本の内、希少価値が高いもの、歴史上意義の高いものについて、目録とは別に、詳細な解説を付し、挿絵入りの解説が実現できている。本コレクションは、江戸絵入本のジャンルを広くカバーしており、価値が高いものであるが、残念なことに、林美一氏の自宅に保管されていた段階で虫損被害が進み、保存状態としては、劣悪なものである。本研究では、こうした状態の悪い古典籍の修復をも兼ねてしかも、修復を終えたものをデジタル画像で発信するという、公開型の研究を実施した。さらに、本コレクションの整理分類をするなかで、林美一氏が京都在住時代に映画会社大映京都に働き、また江戸研究家として独立し、時代考証により映画制作に関った経緯があるために、大量の映画スチル写真を持っていることがわかり、その目録化も鋭意進めることとなった。残念ながら、研究期間内では、完全な目録としては上梓できなかったが、日本映画のスチル写真データベースとして研究利用が可能となった。また、本報告書は、現代の情報発信技術に照らし合わせて、印刷物としてのみ提供するに不足を感じるものであり、別途WEBサイトにより、冊子では提示できなかった解説情報も含めて公開することになる。URL : http://www.arc.ritsumei.ac.jp/db1/arcsyoseki/search.htm