- 著者
-
出原 賢治
- 出版者
- 一般社団法人 日本アレルギー学会
- 雑誌
- アレルギー (ISSN:00214884)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.1, pp.7-11, 2005-01-30 (Released:2017-02-10)
- 参考文献数
- 27
気管支喘息は遺伝要因と環境要因が組み合わさって生じる複雑な疾患であるとともに, 多くの細胞並びにメディエーターがその発症に関与していることが知られている. そのようなメディエーターの中でTh2サイトカインが重要な役割を果たしていることがマウスを用いた解析や喘息患者におけるサイトカイン発現の解析より明らかになっている. しかし, いくつかのTh2型サイトカインの中でそれぞれのサイトカインがどのような役割を果たしているのか, あるいはどのサイトカインがより重要なのかについては議論の分かれるところであった. 本稿ではこのTh2型サイトカインの中でIL-4とIL-13に焦点を絞って気管支喘息との関連について述べてみたい. IL-4, IL-13の受容体とシグナル伝達経路 IL-4とIL-13は他のサイトカインと同様に細胞表面に存在する受容体を介して刺激を細胞内に伝達する. IL-4受容体は2種類存在し, IL-4受容体α鎖(IL-4Rα)と共通γ鎖より成るtypeI IL-4受容体と, IL-4RαとIL-13受容体α1鎖(IL-13Rα1)より成るtypeII IL-4受容体が存在する.