著者
別所 正博 小林 真輔 越塚 登 坂村 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.249-255, 2009-04-01
被引用文献数
10

コンピュータと通信,特にその複合システムの進展に伴い,位置情報を利用したサービス,例えば観光ガイドや歩行者ナビゲーションといったサービスに,いつでもだれでもどこでもリアルタイムにアクセスできるようになってきた.このような位置情報を取得するための技術,すなわち位置認識技術は,ユビキタスコンピューティング環境実現の鍵として特に注目されている.位置認識技術として,屋外では主にGPSがかなり普及してきた.一方で屋内や地下街といった環境ではGPSの利用が難しいため,ユビキタスインフラを活用した方式が注目を集めている.本稿では,このようなユビキタスコンピューティングと位置認識技術の関係を概説する.ここでは,位置認識の要素技術,例えば赤外線や超音波を使った方式や,無線通信技術を活用した幾つかの方式を概説し,更にこれらを組み合わせて用いる複合的位置認識技術についても触れたい.そして,このような技術が可能にする応用を,幾つかの先進的な実例とともに紹介する.
著者
別所 正博 坂村 健
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.582-588, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

IoT時代に活躍できる人材には,コンピュータ・サイエンスを身につけることと,自分と違う能力をもつ仲間と連携できることが重要だと考えられる。2017年4月に開設した東洋大学情報連携学部(INIAD)は,このような考えの下で独創的な教育を行っている。INIADでは,連携を身につけるための空間と,先進的なIoT環境を備えたINIAD Hub-1という校舎を新たに建て,コンピュータ・サイエンスの教育や,様々なプロジェクトのフィールドとして,その環境を活用している。本稿では,IoT時代の教育の観点から,INIADの取り組みを紹介する。