著者
坂村 健
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.41(1986-HI-007), pp.1-8, 1986-07-09

文字列入力の過程において、入力効率がいいことと同時に作業者の疲労が少ないことは重要である。本論文は、これらの目的を達成するため新たに設計されたTRONキーボ-ドを中心としたBTRONオペレーティングシステムにおける入力仕様について報告するものである。BTRONはビットマップディスプレイの制御とマンマシンインタフェースにおけるリアルタイム性に特に注意して作られたワークステーション用OSである。TRONキーボードの設計においては、今までデータの無かった日本人の手の諸元データの測定から始め、その解析により人間工学的に打ちやすく疲労の少ない物理的キー配置を決定した後、多数の文書入力データの分析によりキーの文字配列を決定している。また、図形入力のための電子ペンを合わせて提案している。
著者
安部 城一 坂村 健 坂前 和市 相磯 秀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.306-313, 1979-07-15

この論文はソフトウェア作成プロジェクトの管理破綻を防止することを目的とし プログラムテスト項目数 検出バグ数 作業日の間の関係を示すPB曲線図により総合デバグ時の進捗度を把握する方法を示している.さらにPB曲線に現れるプロジェクトの性質について論じ 管理破綻の検出方法を提案している.ソフトウェア作成をプランニング期 プログラミング期総合デバグ期と大きく三段階に時分割した場合 プロジェクトの管理が破綻すると判明するのは総合デバグ期であるという実態に注目し 総合デバグ期におけるテスト項目数 検出バグ数 および時間の間の関係は一般的にモデルにより取扱うことができることを示している.このモデルの上の特性値が示す傾向からプロジェクトの破綻を判定する方法を提案し さらに総合デバグ期を初期 中期 終期の三段階に分け 期間 テスト項目数およびバグ数の間の性質10件を示すことによりプロジェクトの最終段階における工程計画ならびに進捗度管理の信頼度を向上する材料を提供している.またこの結果はソフトウェアの分野や規模によらずある程度の普遍性があることを述べている.判定方法の提案と共に過去の破綻例の原因について分類行い 原因の偏りと性質を分析し 一部の原因について対策が可能であるとしている.
著者
重定 如彦 越塚 登 坂村 健
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1662-1675, 2001-06-15
被引用文献数
1

本論文では,分散ハイパーメディアOS``Net-BTRON''におけるハイパーメディア資源管理の機構について述べる.近年,World Wide Web(WWW)を基盤とした全世界規模のハイパーメディア環境がインターネット上に構築され,情報発信システムとして大きな成功を収めている.一方,ネットワーク上の他のハイパーメディアコンテンツを参照・引用をしながら,頻繁なデータ編集による試行錯誤を繰り返して,人間の思考を支援することも,ハイパーメディアシステムの当初の用途の1つである.ところが,現在のWWWシステムをこうした用途に用いると,リンクの接続性が脆弱であるために,リンク切れやEditingProblemといった問題が頻繁に発生する.そこで我々は,頑強なリンク接続性を提供する分散型ハイパーメディア資源管理機構を持った新しいオペレーティングシステム,Net-BTRONを構築している.Net-BTRONのハイパーメディア資源管理機構は次の特徴を持つ.まず,ハイパーメディアノードやリンクをファイルシステムで実現する.Net-BTRON以外の他のハイパーメディアとの相互接続性を実現する柔軟なファイルシステム拡張機能を持つ.ハイパーメディアアプリケーションの操作性を標準化するためのツールキットを提供する.我々はNet-BTRONのパイロットシステムをBTRON3仕様OSを拡張して実装し,その上に多くの分散ハイパーメディアアプリケーションを構築することによって,これらの技術的特徴の有効性を確認した.This paper proposes, the hyper-media resource management mechanism ofdistributed hyper-media operating system ``Net-BTRON''. Recently,worldwide hyper-media environments based on the World Wide Web (WWW)have been constructed on the Internet. These systems achieved a greatsuccess as systems for information distribution. However, they areinconvenient for frequent editing purpose and can not serve as tools forthinking, which is one of the original purposes of the hyper-mediasystem, because of the weakness of the link. If we use the current WWWsystems for the purpose of tools for thinking, problems such as brokenlink or editing problem will occur frequently.In this paper, we constructed a new operating system called``Net-BTRON'' which can be used as a tool for thinking by its robustdistributed hyper-media resource management mechanism. The features ofthe Net-BTRON are as follows. First, the Net-BTRON realizes thehyper-media nodes and links by the file system. Second, the Net-BTRONprovides a flexible file system extension mechanism to integrate withthe other hyper-media systems. Third, the Net-BTRON provides a toolkitfor standardization of the user interface of hyper-media applications.We implemented the Net-BTRON pilot system by extending the BTRON3 OS,and proved the technical advantage of the Net-BTRON by implementing alot of distributed hyper-media application on it.
著者
別所 正博 小林 真輔 越塚 登 坂村 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.249-255, 2009-04-01
被引用文献数
10

コンピュータと通信,特にその複合システムの進展に伴い,位置情報を利用したサービス,例えば観光ガイドや歩行者ナビゲーションといったサービスに,いつでもだれでもどこでもリアルタイムにアクセスできるようになってきた.このような位置情報を取得するための技術,すなわち位置認識技術は,ユビキタスコンピューティング環境実現の鍵として特に注目されている.位置認識技術として,屋外では主にGPSがかなり普及してきた.一方で屋内や地下街といった環境ではGPSの利用が難しいため,ユビキタスインフラを活用した方式が注目を集めている.本稿では,このようなユビキタスコンピューティングと位置認識技術の関係を概説する.ここでは,位置認識の要素技術,例えば赤外線や超音波を使った方式や,無線通信技術を活用した幾つかの方式を概説し,更にこれらを組み合わせて用いる複合的位置認識技術についても触れたい.そして,このような技術が可能にする応用を,幾つかの先進的な実例とともに紹介する.
著者
越塚 登 高田 広章 坂村 健
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.73(1991-OS-052), pp.1-8, 1991-09-06

本稿はGUIプログラミングの労力の軽減を目的とした、BTRONの新しいウィンドウシステムについて述べる。そのアーキテクチャやプログラミングインタフェースは、グループウェアや、カット&ペースト機能、付箋を使ったバッチ処理メタファなどのような、新しい対話スタイルのGUIのプログラミングがサポートできるように設計されている。とのGUIプログラミングモデルのベースとして、本稿では始めに対話モデルを提案する。そして、その対話モデルに基づいた、プログラミングインタフェースモデルである、Abstract Event/Window Callセットを提案する。そして、この、Abstract Event/Window Callセットを実際に実現するソフトウェアである、Window Shared Data Pool()についても述べる。また、本稿ではWSDPのプロトタイプバージョン上に、このブログラミングインタフェースを生かして、分散共有黒システムを少ないソースコード量で実装できたことも加えて報告する。"
著者
坂村 健
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, 1999-03-15
著者
別所 正博 坂村 健
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.582-588, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

IoT時代に活躍できる人材には,コンピュータ・サイエンスを身につけることと,自分と違う能力をもつ仲間と連携できることが重要だと考えられる。2017年4月に開設した東洋大学情報連携学部(INIAD)は,このような考えの下で独創的な教育を行っている。INIADでは,連携を身につけるための空間と,先進的なIoT環境を備えたINIAD Hub-1という校舎を新たに建て,コンピュータ・サイエンスの教育や,様々なプロジェクトのフィールドとして,その環境を活用している。本稿では,IoT時代の教育の観点から,INIADの取り組みを紹介する。
著者
坂村 健
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.252-257, 1999-03-15
被引用文献数
1
著者
重定 如彦 越塚 登 坂村 健
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1662-1675, 2001-06-15

本論文では,分散ハイパーメディアOS``Net-BTRON''におけるハイパーメディア資源管理の機構について述べる.近年,World Wide Web(WWW)を基盤とした全世界規模のハイパーメディア環境がインターネット上に構築され,情報発信システムとして大きな成功を収めている.一方,ネットワーク上の他のハイパーメディアコンテンツを参照・引用をしながら,頻繁なデータ編集による試行錯誤を繰り返して,人間の思考を支援することも,ハイパーメディアシステムの当初の用途の1つである.ところが,現在のWWWシステムをこうした用途に用いると,リンクの接続性が脆弱であるために,リンク切れやEditingProblemといった問題が頻繁に発生する.そこで我々は,頑強なリンク接続性を提供する分散型ハイパーメディア資源管理機構を持った新しいオペレーティングシステム,Net-BTRONを構築している.Net-BTRONのハイパーメディア資源管理機構は次の特徴を持つ.まず,ハイパーメディアノードやリンクをファイルシステムで実現する.Net-BTRON以外の他のハイパーメディアとの相互接続性を実現する柔軟なファイルシステム拡張機能を持つ.ハイパーメディアアプリケーションの操作性を標準化するためのツールキットを提供する.我々はNet-BTRONのパイロットシステムをBTRON3仕様OSを拡張して実装し,その上に多くの分散ハイパーメディアアプリケーションを構築することによって,これらの技術的特徴の有効性を確認した.
著者
坂村 健 高田 広章
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.20(1992-ARC-099), pp.1-8, 1993-03-11

TRONプロジェクトは、近い将来に高度にコンピュータ化された社会(電脳社会)が到来することを想定し、コンピュータシステムのあるべき姿を総合的に研究するプロジェクトである。コンピュータシステム構築の基礎パーツとなるCPUや目的別に設計された3種類のオペレーティングシステムの研究・開発を行なう基礎プロジェクトと並行して、電脳社会における問題点を検討するために、電脳社会のプロトタイプの構築を行なう応用プロジェクトを進めている。本稿では、TRONプロジェクトの現状とプロジェクトの目指すところについて、TRONプロジェクトで重視している実時間処理の面を中心に紹介する。
著者
坂村 健
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, 1999-03-15
著者
坂村 健
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, 1999-03-15

1 0 0 0 OA 『電脳都市』2

著者
坂村 健
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.52-58, 2004-01-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
5