著者
別所 正博 小林 真輔 越塚 登 坂村 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.249-255, 2009-04-01
被引用文献数
10

コンピュータと通信,特にその複合システムの進展に伴い,位置情報を利用したサービス,例えば観光ガイドや歩行者ナビゲーションといったサービスに,いつでもだれでもどこでもリアルタイムにアクセスできるようになってきた.このような位置情報を取得するための技術,すなわち位置認識技術は,ユビキタスコンピューティング環境実現の鍵として特に注目されている.位置認識技術として,屋外では主にGPSがかなり普及してきた.一方で屋内や地下街といった環境ではGPSの利用が難しいため,ユビキタスインフラを活用した方式が注目を集めている.本稿では,このようなユビキタスコンピューティングと位置認識技術の関係を概説する.ここでは,位置認識の要素技術,例えば赤外線や超音波を使った方式や,無線通信技術を活用した幾つかの方式を概説し,更にこれらを組み合わせて用いる複合的位置認識技術についても触れたい.そして,このような技術が可能にする応用を,幾つかの先進的な実例とともに紹介する.
著者
小林 悠記 小林 真輔 坂主 圭史 武内 良典 今井 正治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.1311-1321, 2004-05-15
被引用文献数
14

本稿では,コンフィギュラブルなVLIW プロセッサのアーキテクチャモデルに基づいたプロセッサ仕様記述から,合成可能なHDL 記述を生成する手法を提案する.本生成手法では,パイプラインステージの数やスロットの数,発行された命令を適切なリソースに割り付けるディスパッチ処理のルールなどを変更することが可能である.これらの変更パラメータや各命令の動作は,プロセッサ仕様記述中に表現されてり,VLIW プロセッサのパイプライン制御を含む制御部,命令デコーダ部,データパスはこのプロセッサ仕様記述から生成される.提案手法で用いるプロセッサ仕様記述の記述量は小さく,変更量もまた小さいため,提案手法を用いることで,設計者は効果的に設計空間探索をすることができる.評価実験では,約8 時間で36 種類のプロセッサ仕様を記述でき,その記述量は生成されるHDL 記述の記述量と比較して約82%削減できることを確認した.This paper proposes a synthesizable HDL code generation method using a processor speciffication description based on a configurable VLIW processor model.The proposed approachcan change the number of pipeline stages,the number of slots,and a dispatching rule that manages issued operations assigned to resources,and these parameters and each instruction behavior are represented in the processor specification description.The control logic including the pipeline controller,the decode logic,and the data path for VLIW processor are generated from the processor specification.Designers can explore ASIP design space using the proposed approach effectively,because the amount of description is small and the modification cost is also small.Using this approach,it took about eight hours to design 36 VLIW processors. Moreover,this approach provides a 82%reduction on the average compared to the description of the HDL code.
著者
小林 真輔 越塚 登 坂村 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.595-603, 2008-07-01
被引用文献数
6

ユビキタスネットワークを実現するためのキーデバイスの一つにアクティブRFIDがある.本研究では,アクティブRFIDの基盤技術確立を目指し研究開発を行ってきた.ハードウェア,通信プロトコル,ミドルウェア,並びに,アクティブRFIDを管理するサーバ側のソフトウェアまでのトータルシステムを提案し実現している.アクティブRFIDの課題である,低消費電力,高多重通信を実現するためのブレークスルーとしてUWB(Ultra Wide Band)無線通信LSIを開発しそのLSIを搭載した世界最小1cm角のアクティブRFIDを実現した.また,アクティブ型,パッシブ型を含むRFIDや,バーコードなどの個別の識別子をそれぞれのものに割り当てて管理し情報提供するための上位のディレクトリサービスの開発を行った.更に,本研究の実証実験の例として,青果物の物流現場におけるアクティブRFIDタグの活用,高精度測位を実現したUWBアクティブタグを用いた倉庫管理システムについて述べ,場所情報を提供するためのタグの例として,実際の商業施設におけるシステムについて述べる.