著者
前川 禎通 中堂 博之 大谷 義近 Puebla Jorge
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

1915年にアインシュタイン達は磁性と回転運動の等価性を明らかにした。これは力学回転と電子のもつ角運動量(スピン)が角運動量保存則で繋がっていることを証明するものである。物質の持つ角運動量の間には、角運動量保存則を介して相互変換が可能である。本研究では、物質の巨視的な回転に加えて、流れに現れる渦運動など、様々な力学回転と物質中のミクロな角運動量(スピン)との相互変換による新たな分野「スピンメカトロニクス」を構築する。
著者
高梨 弘毅 大谷 義近 大野 裕三 小野 輝男 田中 雅明 前川 禎通
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本特定領域では、スピン流の生成と消滅、そしてそれらを通して生じる物理的信号の変換制御に関わる学理を確立し、新規なデバイス応用への可能性を探索することを目的としている。総括班は、本領域全体のコーディネータ的役割を果たし、同時に内部評価を行う。本年度は、本特定領域の最終成果報告会として国際ワークショップ「5th International Workshop on Spin Currents」を2011年7月25日(月)~28日(木)の日程で仙台国際センターにおいて開催した。最近のスピン流研究において注目される議題として、(1)スピンホール効果やスピンゼーベック効果に代表される純粋スピン流現象、(2)スピン注入磁化反転や自励発振、電流誘起磁壁駆動などのスピントランスファー現象、(3)非磁性体、特に半導体へのスピン注入、(4)磁化の電気的あるいは光学的制御、(5)スピン流の創出と制御のための材料探索・プロセス・評価の5項目について、それぞれの分野において世界最先端の成果を上げている研究者を組織委員会で選出し、口頭発表をお願いした。それ以外にも、特定領域研究で得られた成果が、ポスター講演において数多く報告され、4日間にわたって活発な議論が展開された。また、各計画研究代表者および公募研究代表者から、領域設定期間中の成果に関するデータを収集した。そのデータを元にして、原著論文、解説、著書、国際会議発表、国内会議発表、報道(新聞、TV等)、受賞、特許、その他(若手育成など)、の9項目について成果のとりまとめを行った。
著者
前川 禎通 森 道康 家田 淳一 安立 裕人 高橋 三郎 大江 純一郎
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本研究は、磁化運動に伴う電圧生成の新原理「スピン起電力」に関する量子論的基礎を確立し、現象の解明と新機能を有する磁気デバイスの開発を目的とする。主な成果として、スピン起電力の数値計算アルゴリズム開発を行い、強磁性体中の局在磁化ダイナミクスとスピン起電力の関係を明らかにした。特に、磁気渦運動によるスピン起電力の解明、非一様磁性細線中の磁壁移動を用いた外部磁場印加不要なスピン起電力の解明、強磁性共鳴を用いたスピン起電力の連続発信、スピン起電力を用いた磁気ヘッドの発明などを行った。