著者
弓削田 祥子 西丸 宏 加瀬 義夫
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.2021-026, 2022 (Released:2022-03-31)
参考文献数
7

武蔵野大学薬学部6年生に対して実施した薬剤師国家試験と同形式の試験(9月~2月に計6回実施)における総合計および各科目の成績推移をグループ化できるかについて,3年間(2017–2019年度)のデータを用いたクラスター分析を行って検討した.その結果,総合計およびすべての科目について上位・中位・下位の3グループに分類することができたが,その構成人数は科目によって異なる傾向を示した.また,すべての科目について総合計との相関が見られた.ある時点の試験成績から薬剤師国家試験の合否に関して有意に影響がある科目を見いだせるかについて多重ロジスティック回帰分析で検討したところ,薬理など複数の科目で合否に影響がある可能性が示唆された.本研究は,各学生の早い時期の試験成績から,学習到達度の把握や今後の成績推移の見通しを予測し,国家試験対策における学生指導や学習方略の構築を検討する際に有用な知見となる可能性を示している.