著者
小幡 斉 加藤 順子
出版者
関西大学出版部
巻号頁・発行日
2010-03-20
著者
加藤 順子 須貝 哲郎 庄司 昭伸 中西 健史 桑野 敦子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.115-124, 1994 (Released:2010-08-25)
参考文献数
22
被引用文献数
2

1982から91年までの当科におけるラノリンパッチテストの結果をまとめた。平均陽性率は単純ラノリンが0.6%, 還元ラノリンが1.7%, ウールアルコールが2.0%で, 1974から1976年と比較して前2者が減少していた。ウールアルコールの陽性者は, 20から50歳台に分布し, 男性に多いか男女同じだった。還元ラノリンとウールアルコールは過半数が単独陽性だった。ラノリン皮膚炎の原因物質は22.4%が医薬外用剤で大多数は不明である。基礎疾患にアトピー性皮膚炎26.8%と下腿潰瘍9.4%がある。ラノリン陽性者のうち80.5%が多感作例でそのうち41.6%が香料アレルゲンに陽性であった。アセチル化ラノリンとイソプロピルラノリンの陽性は11.3%と7.9%で, 刺激反応も考えられた。
著者
谷井 司 加藤 順子 八代 典子 新藤 季佐 幸野 健 濱田 稔夫 山口 武津雄
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.155-163, 1991 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

乾燥性皮膚疾患に対するスクワランの有用性, 皮膚刺激性, 保湿性について検討した。貼布試験は73例全例陰性であった。使用試験では乾皮症, 手湿疹に有用で, 炎症を伴わないアトピー性皮膚炎にも有効であったが, 炎症を伴っている場合には慎重に使用することが望ましいと思われた。症状別では皮膚の乾燥に特に有効であった。この理由としては, 保湿能の検討より角層水分の貯留作用によるものと思われた。以上よりスクワランは, 適切に使用すれば安全性が高く, ベタつくという不快感がほとんどなく, 使用感も良好で, 乾燥性皮膚疾息の治療に有用と思われた。