著者
原 大地 山口 俊輔 下田 佳央莉 勝山 しおり 増田 樹 十枝 はるか 中沢 信明 李 範爽 外里 冨佐江
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.37-42, 2014-02-01 (Released:2014-04-04)
参考文献数
16

【序 論】 Mental rotation (以下, MR) とは, 3次元空間で自由に回転する図形が何であるのかを照合する心的活動である. リハビリテーション領域においても治療的介入手段として, MRの基礎研究・臨床応用が進められている. 身体部位を用いた回転画像を提示した時の反応時間は, 回転角度の増加に伴い遅延すると報告している. 反応時間は, 加齢やスポーツ実施などによる影響があると報告されている. このように年齢や表示角度に関するMRの関連については報告がみられているが, 視覚情報の入力に関与すると思われる眼機能 (利き目) とMRとの関係を報告した論文は少ない. したがって, 本研究では身体部位である手の回転画像を用いて, これまでに報告されてきたMR反応時間と性差, 利き手との関連に加え, 利き目の属性との関連を検討することを目的とした. 【方 法】 本研究は群馬大学倫理審査委員会により承認された. 対象は103名の健常大学生 (平均年齢20.9±2.2歳, 男性51名, 女性52名, 右利き目者59名, 左利き目者44名) であった. 課題は両手の画像が0°, 90°, 180°, 270°回転してある32枚の写真によって構成され, それらの写真がランダムにPCの画面に表示された. 被験者は画像を見て, それが右手なのか左手なのかをPCのキーを押すことで回答し, MR反応時間と回答が記録された. 統計解析は一元配置分散分析, 独立したt検定を行った . 解析には統計ソフトIBM SPSS Statistics 20を使用し, 有意水準を5%とした. 【結 果】 MR反応時間は, 回転角度の180°と0°, 90°, 270°間で有意差がみられた (p<0.05). 利き目では有意差がみられたが (p<0.05), 性別, 利き手では有意差はなかった. 【考 察】 MR反応時間は性別, 利き手ではなく利き目と関連があることが示唆された. すなわちMRに関連する情報処理過程は利き目によって異なることが示唆された.
著者
山口 晴保 山上 徹也 亀ヶ谷 忠彦 勝山 しおり 亀ヶ谷 忠彦
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

認知症をリハの適応疾患とするという研究実施計画に基づき、社会脳に注目した認知症への脳活性化リハの実施を3年間行った。行動・心理症状を減らし、生活力を高めるリハである。認知症が生活障害の主たる要因となっている老健入所者を対象に、まずは脳活性化リハ5原則に基づく認知症短期集中リハの効果を示した。さらに、群分け(ランダム化対照試験)→3か月の介入→評価のリハ介入研究を行った。小グループでのリハ介入とした結果、生活障害の改善とQOL向上が得られ、小グループで社会脳機能を高めるリハの効果を示せた。