- 著者
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浪川 幸彦
土屋 昭博
砂田 利一
谷川 好男
北岡 良之
向井 茂
- 出版者
- 名古屋大学
- 雑誌
- 一般研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1990
1.特別に意味にある双有理写像、有理写像の現われる空間として、代数曲線のモジュラス空間、および代数曲線上の主束のモジュラス空間の幾何学を展開した(浪川、向井)。これはその上のいわゆるヘッケ作用素の理論を展開する準備である。モジュラス空間はグラスマン多様体を用いて構成される。向井の方法はベクトル束のモジュラス空間を用い、浪川のそれは以下に述べるように量子力学的なものである。2.2次元場の量子論の方法を応用してモジュラス空間を作り、その構造を調べる理論を展開した(浪川、土屋、砂田)。これは微分幾何学でのドナルドソン理論に対応するものである。これからその上の保型式式の構造を調べる予定である(浪川、北岡、谷川)。またアフィン・リ-環の表現論、特にN=2の超共形場理論を用いることにより、脇本表現に関するフェイギン・フレンケルの理論を幾何学的に展開できることが分かり、目下その方向で研究を進めている(土屋)。3.森氏等との3次元特異点の研究そのものは、殆と進まなかったが、本年は国際数学者会議が京都であり、各国の数学者とその交流がてきた。特に他の研究グル-プの最新結果について直接情報を得ることができ、今後の展開のアイザアを得た。準備として、最近斎藤恭司氏(京都大学数理解析研究所)の原始積分の理論を同氏らと推進し始めている。これは同氏の理論を場の量子論的に見て、特異点は運動エネルギ-以外の高次ポテンシャルに由来するとみなすものである。